働き方

強いチーム作りが大切 ! スクラム研修を受けてみた

こんにちは。クラウドネイティブ営業担当の なべいち です。
コロナの影響で、急遽リモートワークの導入が進む企業が増えましたね。そんな中で、チームの生産性やモチベーションは下がっていませんか。
ひとりで色々な物事を完結できれば、楽なことありません。しかし、ある一定以上の大きさの仕事を行う場合、自分以外の人とコミュニケーションをとり、チームとして連携が取れるか取れないかで、生産性は天と地の差があると思います。
ただ一方で、特定の分野に強い優秀な人を、ただただ集めるだけでは「強いチーム」にはなりません。
チームを動かすとは、「そうそう簡単なことではない」とみなさん十分にご存知だと思います。
IT、コロナ、リモートワークといった変化の多いこのご時世で、営業であっても、エンジニアであっても 「強いチームを作る方法はないのか?」と考えていた時に、変化に迅速に対応することを目指した開発手法であるアジャイルがあります。そのアジャイルの中の1つがスクラムと言われています。
今回、株式会社アトラクタが提供するスクラム研修の機会をいただきましたので、参加させていただきました。

その前に、スクラムとは?

「スクラム」とは、アジャイル開発として提唱されている手法の中で、チームとしての進め方に特化したフレームワークです。
もともとはソフトウェア開発のプロジェクトを成功させる仕組みでしたが、様々なチームでも扱えるように技術的な要素は取り除かれていきました。
そして、「市場のニーズは絶えず変化する」 「人はミスをする生き物である」ことを前提に、チームで仕事を進める枠組みを「人間中心」に考えたフレームワークとなり、ソフトウェア開発以外のチームにも適用できるのが特徴と言われています。

そもそも強いチームとはなんでしょう?

そもそもビジネスにおいて、強いチームとはなんでしょう?
一人ではなし得ない仕事を、状況の変化やトラブルに臨機応変に対応しながら、高い生産性を保ち、市場に価値を提供しつづける人の集まりではないでしょうか。
ただし、改善のためにダメ出しばかりだと、殺伐とした空気になってしまうことは明白…そんなチームは長続きはしないでしょう。実際にそういった職場を数々見てきました。
じゃあ、強いチームってなんだろう?と考えたときに、近代のアジャイルでは、このような項目が挙げられていました。

  • 人々を最高に輝かせる
  • 継続的に価値を届ける
  • 高速に実験&学習をする
  • 安全を必須条件にする
  • 安全に失敗できる環境
  • 人々への敬意と感謝
  • 非難しない振り返りができる環境

これが実現できたら、とても理想的ですね。 本当に理想的。 ただ、これが実現するために、日々どうやって過ごしたらいいのか? 凡人の私には全く思い当たりません。そんな半信半疑でスクラムの研修が始まりました。

実際のスクラム研修では

リモート会議システムのZoomを使って、参加者30名ほどで始まったスクラム研修。
前半で講師の方が、一通りスクラムの説明を行った後、参加者がスクラムを体験できるようにハンズオンになりました。
その内容とは…初対面の大人5〜6人でチームを作り、与えられたテーマで3分のプレゼンを作りましょうというもの。
あまりにも、唐突に漠然としていて、無茶振り感が否めないままハンズオンに突入です。

他人が集まって、一つの目標に向かう条件

20分という時間を設けられ

  • 自己紹介
  • 役割決め
  • 作業の進め方
  • 実際のプレゼンテーション資料の作成

といった課題が与えられると、Zoomのブレイクアウトルームへ移動します。
そこでまず、起きたのは 「沈黙」
司会進行担当の方がいない状態で、初対面の大人が集まったら、まぁ、こうなりますね。
ただし、時間が短く限られていたので、「とりあえず私から」と辿々しく自己紹介が始まりました。
そこから、

  • 作成物の方向性をまとめる:プロダクトオーナー
  • スクラムの話し合いの形式を確認する:スクラムマスター
  • 作成物を実際に作っていく:開発者

と役割を決めて行きます。
ここで普段だったら、よそよそしい空気を変えるために、「ひととなりが、多少わかったところで雑談をしたい…」 という気持ちが芽生えますが、全然時間が足りません。
役割が決まると、開発者全員で、スプレッドシートを同時編集できる状態にして、プレゼンに必要な項目を洗い出していきながら、スライドを描き始めました。

そこで、出来上がった3分のプレゼン用のスライドはこちら

全く完璧ではありません。ただ、初めて出会った大人が6人も集まって、見える資料が出来上がるもんなんだなと感じました。
「大人が6人集まって20分でプレゼン資料を作るということ」は、普段じゃ絶対無理だと思います。
しかし

  • 共通の目標が1つ定められている
  • 話し合う時間がとても短い

ために、余計なことをせずに集中しやすく、さらには、決められた話し合いの形式からずれていったところでスクラムマスターが注意をしてくれます。
型を守りながらの話し合いの環境は、とても大きいと思います。
この2つの条件があるだけで、人は生産的に話し合えるのだと感じた瞬間でした。

逆に時間制限も話し合いの形式もないと、

  • 目標に関係のない話を始める
  • インターネットで目標とは関係のない情報を探す
  • 納品される側が求めているかどうかもわからない質にこだわる

などが起こり、時間を浪費してしまいがちです。

言いたいことを言われても成長するチームの条件

スライドの作成時間が終わると、ブレイクアウトルームが強制的に解除され、30人の前で即プレゼンテーション開始です。
たった3分のプレゼンテーションですが、これを聞いた人は、客観的に作成物のレビューをしてくれる:ステークホルダーとして、賛否両論のコメントをくれます。
今回はSlack上で、20件以上ご指摘をいただきました。コメントには、いいものもあれば、悪いものもあります。
ここで、一喜一憂ありつつ、もしも、このステークホルダーの方々がお客さんだったら、昭和生まれの私は、 「全部聞き入れるのかぁ」 とゲンナリしてしまいます。そんな気持ちを察してか、講師の方から救いのお言葉ありました。
「ステークホルダーは、あなたの事情を無視して言いたいことを言います。ただ、言われた言葉を全部聞き入れるかは別問題! 優先順位をつけて、次の作成物に反映してください」
「時間は限られている」その中で、定期的に市場に価値を届けるためには * チームで1つの目標を掲げる * 一定の時間間隔で定期的に作成物をレビューしてもらう * タスクの優先順位を決めて取り組む(タスクの取捨選択ができる)

ということが大切になってくる訳ですね。
いいか悪いかもわからないものを実装するより、よっぽど頭がスッキリした状態でメンバーと話し合うことができました。
そこで、より綺麗でわかりやすいスライドが描けました。

スクラム研修を通して強いチームを作るために

今回の研修を受けて、普段の話し合いの仕方と比べた時に

  • 作成物の方向性をまとめる:プロダクトオーナー
  • スクラムの話し合いの形式を確認する:スクラムマスター
  • 作成物を実際に作っていく:開発者
  • 客観的に作成物のレビューをしてくれる:ステークホルダー

という目標達成に必要な4つの視点を、明確に役割として分かれていることが、とても大きいと感じました。
1人でこの4つの視点と技術を持ち、全くミスをしない天才がいても同じことができるかもしれません。
しかし、プロジェクトの数が増えて、市場の変化や、トラブルといった横槍が増えるほど天才への負荷は膨大に増えて、破綻してしまうでしょう。
天才に頼るのではなく

  • 視点を分けて
  • 短い期限を設けて作成物を作り
  • 強制的にレビューをもらう

これによって問題を大きく膨らます前に仲間で半ば強制的に学習を繰り返していく
これが変化の多い市場の中で、ミスをすることが前提の上で、強いチーム作る方法ではないでしょうか。
また、日本では「失敗は悪」という文化が根強く、ウォーターフォール開発手法にも挙げられるような 「ミスがない事が前提」 のコミュニケーションを自然とやってしまいます。
そんなコミュニケーションでは

  • 問題が抱えきれなくなるまで一人で抱えてしまう
  • 問題を見つけると集団で非難する
  • 仲間で学習する機会を失う
  • 学習するスピードが遅くなる
  • 問題の責任転嫁で生産性の無い時間を過ごす

といったことが現場で起こりがちです。
一方スクラムでは、

  • 問題は全員のものと考える
  • ミスや問題が起きることに寛容
  • 仲間で学習する機会が増える
  • 学習するスピードが速くなる
  • 問題をチームとして受け止め解決する

ことを目標としています。

もしも、強いチームを作りたいとお考えなら、スクラムを一度体験してはいかがでしょうか?
スクラムは一度体験すると、次の日からあなたの仕事場で活用できます!

nabeichi

クラウドネイティブ 営業担当のなべいちです。北国の青森に生まれ、憧れの東京で活動しております。バンドで芽が出なかったため、組込系プログラマからセールスエンジニアを経て、クラウドサービスの営業の世界へ。田舎生まれのせいなのか、組込系をやり過ぎたせいなのか、時たま標準語を忘れます。そこはご愛嬌の上、よろしくお願い致します。