一般社団法人SRE NEXT さんのSRE NEXT 2022をお手伝いをさせていただきました。
事前登録で500名ほどでしたが、当日には約900名の登録、実際の来場者は2日通して700名になりました。前回の2020年のリアルでの開催では、500名ほどでしたので、前回よりもたくさんの方に来ていただけましたね!すべてユニークユーザーの値です。
株式会社クラウドネイティブはZoom Eventsの環境を提供し、できる限りのサポートさせていただきました。また、当日の運営本部として代表シンジの自宅を提供させていただきました。
Zoom Eventsでは、単発でSingle セッションで構成される「イベント」と、「カンファレンス」を開催できます。数日にわたって開催されるカンファレンスでは、いくつものセッションを同時並行で配信し、Expo機能によって主催者と来場者とがコミュニケーションすることができます。
Zoom Eventsは現時点では日本語化されていないのもあって、国内ではおそらくSRE NEXTさんが初めて大規模なカンファレンスを開催したんではないでしょうか。どうでもいいですが、僕が今のところ国内で唯一Zoom Eventsに妙に詳しいマーケだと思います。多分。
ここからは、Zoom Eventsならではの機能について紹介していきます。Zoom Webinerでできることはだいだいできると考えていただいて大丈夫だと思います。日本語化されていないサービスの説明になるので、めちゃくちゃルー語になってますが、あしからず!
配信の安定性はさすがのZoom
肝心の配信の安定性はさすがのZoomです。運営側の機材トラブルがありましたが、延べ1600分もの配信の中、何百人何千人視聴してもびくともしない安心感はありがたいです。この記事でもさまざまな機能を紹介しますが、一番のコアである「配信」の中身はZoomです。Zoomがこれまでに練り上げてきた機能が揃っています。
ただ、1日目に、セッション動画の音声が小さいという声が多数届き、翌日までに運営のみなさんで音量の最適化を頑張っていらっしゃいました。2日目には音量の問題はほぼ解決しました。みんな頑張ってた!
Zoomアプリでは少しリッチなUIで、セッション一覧、ユーザー独自のItinerary(視聴スケジュール)、Expo、スピーカー一覧に左端のタブからアクセスできます。
セッションの便利機能として、ユーザーがセッションをブックマークすると、ユーザー独自のItinerary(視聴スケジュール)が作成されます。ZoomアカウントをGoogle Calendarと連携していればさらに便利です。
チケット機能はいいぞ!
まずは、参加者にはイベントページに来てもらって、Registerボタンからチケットを取得する必要があります。
チケットは柔軟な設定と発行ができます。Track Aのみのチケットとか、2日目だけのチケットなどです。ただ、日本国内では有料チケットに対応していないので、チケットを分けることのメリットは現段階ではないと思います。
チケットの種類はこんな感じです。
- ホスト/スピーカー/Booth担当者などのSpecialなTicket
- 事前登録者用のGuest Ticket
- 誰でも購入/取得できる公開されたTicket
- メールアドレスで招待した人しか購入/取得できない 招待者向けTicket
今回は、一部有料チケットを販売したいということでしたので、Eventbriteで個人スポンサー様用の有料チケットを販売し、販売終了と同時にZoom Eventsにマージし、改めて招待チケットを発行する形にしました。ユーザーによっては二度手間になってしまい申し訳ありませんでした。
早く有料化できるようになるといいな〜と思っています。
チケットの発行枚数の上限は一瞬で反映されるよ
チケットの発行枚数の上限は500、1000、3000などのプランが用意されています。イベントの公開後や会期中に予想以上の来場があったとしても、アップグレードすればすぐにチケットの枚数上限を増やすことができます。
これは主催側も安心ですよね。様子を見ながらプランを最小限にすることができます。優しい。今回は1000いきそうでいかなそうな、なんとも言えない感じでしたので、事前に3000のプランにアップグレードしておきました。
チケットに関連して、Zoom Eventsの良いところは、やっぱり一意のアカウントに権限や役割を与えられることですよね。スピーカーもやりつつExpoのBoothも担当するような参加者は、チケットを複数あったとしても、特別な操作をせず担当のセッションに参加すればスピーカーとして振るまえるし、Boothに入れば担当者として振るまえます。当然、スピーカーであっても、自分のセッション以外では、一般の参加者と同じ扱いになります。
セッションの設定は下準備次第
今回のSRE NEXT2022では2日間で45名のスピーカー、42のセッションで構成されています。セッション、およびスピーカーはCSVでの登録が可能です。運営のみなさんがGoogle Form で情報を集め、一気に登録していました。
また、スピーカーが自身のセッションの説明文や画像をセルフサービスで直接編集してもらうことができるので、任せちゃえるのもいいですよね。今回は、セッションのアイキャッチを共通の画像にしたので運営側で一気に設定しました。
セッションは、あくまでそれぞれがユニークな独立したWebinerまたはMeetingですので、同時に配信ができます。前のセッションが押して次のセッションの開始が遅れるということもありません。逆にいうと、次のセッションに行くには、一度退出して次のセッションに能動的に移動してもらう必要があります。リアルなカンファレンスの「このまま次のセッションの頭だけちょっと聞いてみようぜ」みたいな体験ができないのはちょっと残念ではありますね。
スポンサーは3種類で特典は決め打ち
スポンサーはPlatinum、Gold、Silverの3種類のランクしか設定できません。(2022/5/15時点)それぞれ、Expoでの表示の大きさや、スペースの数、イベントページでの表示の大きさなどが異なります。現時点では、スポンサーランクにによる特典を主催者側で変更できないので、Zoom Eventsの仕様に特典を合わせるか、スポンサー機能を利用せず、なんらかの別の形で特典の差異を付ける必要がありそうです。
今回は、スポンサーランクを5種類にすることが事前に決まっていたので、Zoom Events上ではフラットにしつつ、Expoでの出入り口の近さなど、さまざまな場面での優先順位によって差異をつけることになりました。
スポンサー特典はもうちょっと柔軟になってくれるとうれしいですよね。
Expo機能はすごいんだけど ユーザー体験が…
みなさん気になるExpo機能です。アップデートの頻度がすごく、日々進化しています。Zoomアプリで左側のタブからExpoを選択し入場できます。
Expoでは、スポンサーや主催者によるBoothや自身のアイコンを移動させて、好きなBoothに入ったり、近くのユーザーとチャットしたりもできます。そういうの嫌だって方はアイコンを表示させずに透明人間にもなれます。
しかし、リアルなエキスポと違って、Expoの画面にはBoothがズラーっと並んでいるだけなので、自分の気になるセッションが講演されるステージに向かう途中でブースにちょっと寄っていこうみたいな、お祭り的な体験ができないです。導線が弱いですね…
ExpoのBoothに入るとそこにはSpaceが…
ExpoのBoothの中にSpaceがあります。Spaceというか、これ完全にZoom Meetingです。ホスト側の設定にもよりますが、SpaceにJoinしてきた人がいたら、通知をするとか、待機させるとかいうこともできます。今ちょっと別の人と話してるから待ってね〜っだったり、独自にこの時間から説明会するから来てね〜みたいなこともできます。リアルExpoぽくはありますよね。もちろん、動画を流したり、画像、資料を置くなどができます。
また、これちょっと日本人としてはなかなかびっくりな機能なのですが、Spaceの中の様子がBooth内でストリーミングされます。なんか妙なところリアルですよね。たしかに、展示会で来場者に担当者が自社製品などあれこれ説明してたりする時って、そりゃ他の人にも様子が見えるし聞こえるよねっていう。ただ、場合によっては、ブース内での話を聞かれたくないことはあると思います。その場合は、もう他でZoomやってねっていう感じですかね。こういう割り切り方は米国SaaSっぽいかもしれません。
Boothへの導線が弱い上に、Boothにいざ入ってみてもなんか喋ってるし、Spaceに入ったらいきなり面談始まりそうだし、え、なにこれ怖い。とユーザーは感じたかと思います。今回は特に、数十のスポンサー様にご参加いただいたので、ズラーっと並ぶ画面に圧倒されてしまったみたいです。
Expoでの集客がうまくいっていないことを受けて、すぐに各セッションでのアナウンス文を変更したり、案内用のBoothを設置したりなど、なんとかしようと運営のみなさんも頑張っていたのですが…
Expoの今後に期待
Expoの改善点や意見を列挙しておきます!
- とにかく心理的ハードルが高いZoomのUXから離れるが、Remo、Gather Town、Oviceなどを参考にしてにみてほしい。
- 今後はExpoは上記サービスなんかに置き換えるかも…
- セッションの体験が良いだけにExpoに対して厳しい意見が目立った
- そもそもExpoへの導線が弱く、Booth内に人がいないので1on1になっちゃいそうで入るのに躊躇してしまう。
- Expoでの賑やかな演出が皆無
- ExpoもBoothも演出が無さすぎてつらい。わくわくしない。
- Expoの画面の初期倍率が100%だと全体を見渡せられず、狭く感じる。
- Expo画面に到達した初回のみ、全体の引きの画(25%ぐらい)から通常の縮尺までの、全体のスケールを感じてもらうアニメーションなんかどうでしょう?
- いきたいBoothへ辿り着く方法がアイコンを移動させるしかない
- Expo内でNavigate here というボタンを押せば飛べるが、行きたいBoothを探すのがそもそも難しい。
- Booth担当者は、「右の上の方にいますんで!来てくださいね〜!」みたいな言い方しかできない。
- URlから飛べる様になれば、他メディアだったりからも導線として成立しやすいかも。
- Boothを外から見ても、中に何人いるか?ぐらいしか分からず、怖い。
- Booth担当者の設定によって、受付中とか、中の様子が見れるようにできればうれしい。
- Spaceの様子をストリーミングするかどうかをBooth担当者によって設定できるとうれしい。
- Spaceの数をBooth担当者によって随時設定できれば、アサインされる人を調整できるので、アクティブなBoothでいられると思う。
- Boothの中やSpaceに入っていると外の様子がわからない
- Spaceの担当者は外の様子を知る術がなく待つしかないので心理的に辛い。
- Spaceの中にいると、配信中のセッションを見ることができない。なおさら辛い。
- 一方でリアルなExpoと違いリモートなので、担当者をアサインしやすい良い面もあった
とはいえ開催できた!すごいよZoom EventsとSRE NEXT
開催できました!運営の方々は本当にすごいと思います。もちろん、スポンサーやユーザーの皆様にご迷惑をおかけした部分もありました。反省すべき点もたくさんありました。ただ、リモートならではの大変なところも良いところがあります。改善しつつ前向きにリモートならではの伸ばせるところを伸ばしていきたいですね。
実際に、遠方や国外の方、移動が難しい方などから運営へ良いお言葉もいただけました。それぞれのセッションは本当に素晴らしいものばかりでしたね。
前例の少ないZoom Eventですが、ポテンシャルはもあると思います!きっとZoomさんのことですので、Expo機能もアップデートで良い感じになっていくことでしょう!
それでは、またどこかのイベントでお会いしましょう!