はじめに
パワハラ防止法をご存知でしょうか。改正労働施策総合推進法の通称です。2019年5月、改正労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)が成立し、パワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置が義務付けられました。 大企業では2020年6月より施行済みですが 、中小企業でも2022年4月から施行されることになりました。
それに伴ってクラウドネイティブでも、コンプライアンス委員会が爆誕いたしました。
コンプライアンス委員会ってなにするの?
コンプライアンス委員会の役割は、社内でコンプライアンス体制を構築し、それを維持・管理するのがお仕事です。例えば、継続的な教育や、相談窓口の設置、問題発生時の調査と対応などがあります。
Complianceを直訳すると「従うこと」や「義務を果たすこと」などの意味になりますが、日本では一般的に「法令遵守(企業が法令をきちんと守ること)」の意味で使われることが多いです。
「法律を守ればいいの?」と思われる方もいるかもしれませんが、そんな単純なことではありません。そもそも【法律を守るのは当たり前】ですよね。
【社会人としてやっちゃいけないこと】って時代ととともに変わるんです!わたしが小さい頃テレビで流れていたCMで、「24時間戦えますか?」と某栄養ドリンクがCMをしていましたが、今はそんなCMを打てないですよね。
また、先日読んでいた漫画【サラリーマン金太郎】(1994年発行)の初期は、飲み会の席で男性も女性も裸になって宴会しているような描写もありました。
今回のパワハラ防止法を含め、時代とともに変わる【法律】や【企業倫理】まで含めた【コンプライアンス】について、何がよくて、何がだめかをしっかりと伝えて、会社としての方針を明確にしていくことが必要ですよね。
コンプライアンス委員会は、ハラスメントを含めた、コンプライアンスについて「教育と告知」「相談または通報窓口の設置」「事案の調査または当事者のケア」などが主な役割です。
また、あくまで会社を経営しているのは経営者や役員なので、会社が健全でいられるような経営判断をするために、役員会に報告をしたり、提案や相談をしたりするのも大きな役割です。
経営判断を左右する大事な委員会なんです!!
何が「パワハラ」になる?
厚生労働省では、以下の3つの条件すべてを満たす行為をパワハラと定義しています。
これをさらに6類型に分けて定義してます。
- 身体的な攻撃: 殴打や足蹴りなどの物理的な攻撃
- 精神的な攻撃: 人格を否定するような発言
- 人間関係からの切り離し: 仕事を外したり、長期間の別室での隔離など
- 過大な要求: 過剰な仕事をさせる
- 過少な要求: 仕事を与えない
- 個の侵害: 人格を否定するなど
その他のハラスメント
- セクシャルハラスメント: 性的な言動や行為による嫌がらせ
- モラルハラスメント: 言葉や態度によって人格や尊厳を傷つける行為
- マタニティハラスメント: 妊娠や出産を理由に嫌がらせをすること
- パタニティハラスメント: 育休制度を利用する男性社員に対する嫌がらせ
- 時短ハラスメント: 業務量を変えずに、働く時間を短くさせ、早く帰るよう強要すること
- SOGIハラスメント: 性的マイノリティに対する嫌がらせ「SOGI」はSexual Orientation and Gender Identity」の頭文字です。LGBTQを含む、SOGI(ソジ)はすべての性的指向および性自認を指します。
- ジェンダーハラスメント: 男らしさ・女らしさを強要すること
- アルコールハラスメント: アルコールを飲むよう、強要すること
- レイシャルハラスメント: 国籍や人種差別による嫌がらせ
- ケアハラスメント: 家族の介護をする人に対するいやがらせ
- セカンドハラスメント: ハラスメントを訴えたことへの嫌がらせ
- グルメハラスメント: 料理へのこだわりを強要すること
- ゼクシャルハラスメント: 結婚に踏み切らない人に対して、結婚へのプレッシャーをかけること
- ソーシャルハラスメント: 職場でSNSを通して行われる上司・同僚の迷惑行為のこと
- テクノロジーハラスメント: テクノロジーの知識が乏しい人に対して、バカにする行為
などなど、たくさんの【ハラスメント】が定義されていますね。
コンプライアンス委員会では、どういった行為がハラスメントに当たるのかなどの教育も含め、環境の整備や被害者のケアをして、その対策も立案します。
ジェンダーレス対策
今回、SOGIハラスメントの対策や環境の整備の1つとして、就業規則において配偶者の定義を改めジェンダーレス化しました!
【異性であるか同性であるかを問わず、事実上婚姻と同様の関係にある者を含む。】
弊社での配偶者は同性異性、婚姻の有無などは関係がありません。これからも、たくさんの社員に働きやすい環境を整えていきたいですね。
おわりに
コンプライアンス委員会が発足しましたが、作って終わりにしてしまうと意味がないと思っています。弊社の強みは社員やお客様にとって良いことを見つけたのなら、すぐに行動し、普通の会社では考えられないスピードで変革ができることです。
今回はパワハラ防止法がきっかけの一つではありますが、仕方なく対策するのではなくて、どうせならチャンスととらえて前向きに制度や環境を作っていきたいですよね。
がんばるぞー!