ZoomPhone導入ブログ
こんにちは、デバイスチーム改め、ビジネステクノロジー課の森です。
※ 8月で組織改変があり、所属部署が変わりました。
今回のブログは社内/外の連絡手段として使用しているIP電話に「ZoomPhone」を導入した話です。
当社の環境
既存の環境
他サービスを利用
これまではソフトバンク社が提供する「Dialpad」というサービスを契約/運用しており、代表電話から社員直通番号まで全てをこちらで賄っていました。
このご時世という事もあり、基本的には”リモートワーク”が主となる事や、各スタッフが業務に集中できる事を考慮し、代表電話への着信については電話受付代行サービス(fondesk)を契約し、受話ごとに都度Slackを経由して社内通知が入り、必要に応じて担当者が折り返し電話をする流れとしています。
導入経緯
当社で標準に使うツールとして、オンラインミーティングはZoom、通話はDialpad、社内/外の文字コミュニケーション、分報はSlack、と用途でわけています。
導入に前向きになった経緯はいくつかありますが、代表的な部分としては以下があります。
- 端末上で動かすアプリケーションを少なくシンプルにすること
- Zoomミーティング中の電話着信負担を減らすこと
- 通話履歴、通話料を可視化できること
社員向け端末はJamf/DEPを用いたゼロタッチデプロイでセットアップされる事もあり、OS以外の基幹アプリケーションをなるべくシンプルにしたい意図が強いこと、またZoomMTG中はトークや議事録取得などでタイピングしている事が多く、電話着信で別のアプリが起動すると予期せぬ動作となってしまうことや、着信音等がノイズとして乗ってしまう事もあります。
検証
導入前はZoom社とミーティングを行い、ZoomPhoneサービスについて紹介頂き、料金プランや運用時の注意事項などを確認し、当社のようなリモート業務がメインとなる環境での運用に耐えうる仕様かどうか?など、様々な質問を投げさせてもらいましたが、素早く解答を頂きました。(その節はありがとうございました。>Zoom様)
- プラン、アカウント
テナント内のユーザーアカウントにプランを紐づけて運用する流れとなります。「Zoom Phoneベーシック」プランには 050番号が割り当て出来ず、内線のみの運用となり「グローバルセレクト従量制」が050番号割り当て可、自身の番号や会社代表番号から発信可能なプラン でプラン名の通り基本料+通話した分だけ請求が上がります。またこれ以外のプランとして国内通話放題プランもあり、通話の頻度に合わせて個々にプランの変更が可能です。
2. 本運用前の確認事項
各ユーザーアカウントにZoomPhone各種基本設定やアカウントに紐づく電話番号/内線番号の割当等を確認しました。
検証関連
機能編
- 電話→ZoomMTG
- ZoomPhone同士の通話ならば、相手と通話したまま「通話からZoomMTG」に移行する事が出来ます。(ZoomMTG移行には「通話者同士の同意」が必要)
- 保留後、別の端末で通話を再開する事で電話を切断せずともデバイスの切り替えも簡単に。(スマホ→PC、PC→スマホ、など)
※ 管理者画面による「コール→MTGへの昇格許可」を有効にする事で移行可能。(デフォルトで有効化済み)
「通話→MTG」へ行く事が出来ますが「MTGから通話に戻る事」は出来ないため、その点は注意です。
- 内線
- 一般的なオフィス電話の内線と同じ機能がZoomPhoneには備わっていますので、内線番号で呼び出し→通話が可能です。この機能の「よく出来てるな」と感じる所がリアルオフィスじゃなくても同一テナント、かつオンラインであれば内線で呼び出しが出来ることです。
- また内線番号の割り当てについては「110」,「119」など一部の救急番号を除いた3-6桁で任意に設定が可能です。
- モニタリング
- 主にコールセンターなどの運用に適した機能になりますが、1:1で会話をしている内容をモニタリングしたり、自社スタッフのみに囁きのようなアドバイス(音声)を届ける事が出来る機能で自社スタッフにフォローする事が可能です。当然のことですが一般的な3者通話も可能です。
- Voメール/Voメッセージ
- 留守番電話と音声メッセージの機能も従来の電話のようにサービスが提供されています。
- 自分に着信+音声メッセージが入った時には該当の音声ファイルが添付されたメールが届く。などボイスメールの確認に手間を感じさせないシステムになっています。
- 通話に関する各種履歴を取得可能
- 通話先(外線、内線、通話料)
- 通話先(外線、内線、通話料)
一般的な通話機能含め、まだ他にも紹介しきれない多数のサービスがありますが、今回の紹介では ひとまずココまで!とします。
試用契約や契約時に必要なもの
試用契約時
- 会社の登記簿謄本
- 会社概要(Webページ)
- 身分証明書(申込者)
※ 契約者(会社代表名義)と申込者(現場作業者)名義が異なる場合は、委任状の提出が必要となる。
を指定の方法でZoom社に提出します。
本契約時
必要書類は試用時と同じで、契約/運用上 必要なライセンス数と通話プランでの見積を取得し
3点(委任状の提出含めると4点)を提出します。
Zoom社側で承認がおり次第、ZoomPhoneシステムとして本運用出来るようになります。
開通までにかかる日数
申し込み状況やタイミングによるようですが、現状は2-3営業日で開通出来るようです。
コストイメージ
DialPad契約プラン/運用コスト
DialpadTalk Enterpriseライセンスの場合、1,800円/ユーザー + 通話料
※ Google SAML/SCIM AzureADを使う場合はEnterpriseライセンスが必須となる。
※ 各種アカウント連動に伴い、GoogleWorkSpace運用が前提となる。
※ その他サービスオプション(管理目的、番号付与)にてテナント上の運用コストが変動する。
ZoomPhone契約プラン/運用コスト
コスト従量制プランの場合:Zoom MTGの基本ライセンスに約2000円+通話料(従量制)のイメージ
国内かけ放題プランの場合:Zoom MTGの基本ライセンスに約2700円上乗せのイメージ
※ かけ放題の対象は一般的な固定電話回線、携帯電話に対する通話で、ナビダイヤルや国際電話は別料金となる。
※ 価格の提示は$ベースとなる為、為替レートによって多少の変動があります。
良かったこと/これからに期待すること
良かったこと
- コミュニケーションアプリが1つに纏まったこと。
- 通話機能の充実
- 外線、内線、3者通話、モニタリング
- 応対メッセージ機能の充実
- あらかじめ用意した音声ファイルの読み込み
- 自分で応答メッセージを録音させて利用
- 自分で入力したテキストを読ませて応対メッセージに。(Text to Speach機能)
これからに期待すること
何点かはサービス開始の目途があるとの事で始まるので、これからに期待!です。
- 電話番号の持ち出し、受け入れ。
- 一般的な携帯電話のようなMNP(=Mobile Number Portability,番号を持ち出して使い回すキャリア変更)が現時点では出来ないことです。今回のキャリア変更に伴い、代表番号含め当社社員の直通番号も全て変更となっています。
- それに伴い、Web表記の修正や名刺の作成/再発行、メールのシグネイチャ変更など様々な手数が発生することでしょうか。
- どれもこれも対応策はありますが、番号持ち出しによるキャリア変更が出来る事を祈るばかり!です。
- 050ではなく03などの0ABJ番号の付与
- 2021年8月時点で使える電話番号は050のみ、近い将来に0ABJ番号の付与が出来るようになるみたいなので、こちらも期待です。
- SMS(ショートメッセージサービス)
- 最近では使う事は少なくなりましたが、現時点ではSMSには対応してないようです。
- 代替出来るメッセージサービスがあるので、こちらを使えばひとまず問題なし!でしょう。
- 着信音
- 現状、標準で用意されているいくつかの着信音から選択する事は可能ですが、自分の好きな着信音を入れることは出来ないようです。
最後に
ZoomPhone導入記事、いかがでしたでしょうか。
導入を検討している方に少しでもお役に立てればと思います。