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AdminaのDeviceプラン(デバイス管理機能)を使ってみた

こんにちは!デバイスチームの牧野です。

マネーフォワードAdmina(以下、Admina)のレビューブログの第2弾となります。(第1弾は、AdminaのシャドーIT検知機能を使ってみたのでご興味のある方はご覧ください。)

今回は、AdminaのDeviceプラン(デバイス管理機能)を実際に使ってみました。使ってみてわかった意外な良い点やもう少し頑張ってほしい点を挙げ、フラットな目線でお伝えしていきます。

はじめに

AdminaのDeviceプランとは

AdminaはSaaS統合管理ツールですが、本ブログで紹介するDeviceプランは、そのオプションとして追加可能なサービスです。

Adminaの通常プランにアドオンでDeviceプランを活用することにより、SaaS管理とデバイス管理の統合が可能です。

この記事で分かること

このブログでは、公式ページでは詳しく触れられていない部分や、実際に使ってみて気づいた「便利だった機能」「不便だった点」を正直にお伝えします。

この記事を読むと、以下のような疑問が解消できるかと思います。

  • AdminaのDeviceプランで何ができるのか
  • 実際に使ってみて便利だった機能は何か
  • 実際に使ってみて気づいた制約や改善点は何か
  • 導入時に注意すべきポイントは何か
  • どんな組織におすすめできるか

それでは、順を追って見ていきましょう!


1. AdminaのDeviceプランでできること

実際に使ってみて、便利と感じた機能を中心に紹介します。

公式ページの基本機能はこちらをご覧ください。

複数台帳の統合管理

連携元のMDMはアイコンで識別できます。

AdminaのDeviceプランの最大の特徴は、複数台帳を一元管理できる点です。

多くの企業では、MDMとは別に、Excelやスプレッドシートで資産情報を管理していることが多いのではないでしょうか。また、単一のMDMだけではなく複数のMDMを管理しているケースもあるでしょう。

Adminaでは、これらの情報を一つのプラットフォームに統合できます。主に下記のようなメリットがあります。

  • SaaSとデバイス管理の一元化:SaaSアカウントとデバイスの割り当て状況をまとめてAdminaという1つのプラットフォームでまとめて確認できる。
  • 複数MDMの統合:macOSはJamf Pro、WindowsはIntuneのように使い分けている場合でも、全デバイスを一覧で確認できる。
  • MDMに紐付けがない期間のデバイス管理:納品前・在庫・廃棄/解約・所在不明、などMDMに紐づく前後のデバイスも管理。
  • MDMにない情報も管理:購入日、資産番号、保証期間など、MDMには無い情報も合わせて管理。
  • MDMスコープ外のデバイス管理:ネットワーク機器や電話機、複合機などのMDMスコープ外のデバイスも一元管理。

MDM連携による自動更新

もう一つ便利なのが、MDM連携による台帳の自動更新です。

MDMと連携することで、MDM側の情報が定期的にAdminaの台帳に自動同期されます。

主に下記のような随時更新される情報が同期されます。

  • OSバージョン:常に最新の状態で確認できる
  • 最終通信日時:「使われていない端末」を検知できる
  • デバイス名:MDM側で変更があれば自動で反映される

これらに加えて紐づくユーザー情報(メールアドレス)、シリアルナンバー、CPUやHDD/SSDの情報などもMDMの情報が台帳に反映されます。

手動入力の場合、入力の煩雑さはもちろん、入力ミスや表記ゆれが発生したり何かと不便なこともありますが、自動更新の場合はMDM側が間違っていない限りその心配はありません。

なお、執筆時点での対応MDMは

  • Jamf Pro
  • Kandji
  • Microsoft Intune
  • LANSCOPE エンドポイントマネージャー(クラウド版)

となっています。

デバイス利用者履歴の自動記録

もう一つ便利だと感じたのが、デバイス利用者履歴の自動記録機能です。

端末ごとに、誰がいつからいつまで使っていたかの履歴が自動で記録されます。スプレッドシートで管理していた場合は、利用者が変わるたびに手動で記録する必要がありますが、Adminaではこれが全て自動化されています。

例えば、何かトラブルがあった時など「この端末、故障歴があるっけ?」となったら、履歴を辿ることで確認することが可能です。

その他便利と感じた機能

これまで紹介した主要機能以外にも、実際に使ってみて便利だと感じた点をいくつか紹介します。

カスタム項目で柔軟な情報管理

標準のプロパティ以外に、カスタム項目を自由に追加できます。例えば、「保証期間終了日」「購入先」「プロジェクト名」など、組織独自の管理項目を設定可能です。

スプレッドシートのように列を自由に追加できる感覚で使えるため、既存の管理方法からの移行がスムーズでした。

検索・フィルタリング機能が充実

デバイスの検索やフィルタリングが直感的で使いやすいです。

  • デバイス名、シリアルナンバー、利用者名などで検索
  • 複数の条件を組み合わせてフィルタリング
  • 「在庫」「貸出中」などのステータスで絞り込み
  • フィルタ保存機能で、よく使う条件を保存可能

例えば「最終利用が◯月◯日から◯月◯日まで」という条件で絞り込めば、長期間使われていない端末を簡単に洗い出せます。他にも、退職者が出た際に「このユーザーが使っていたデバイス」を一覧表示して回収すべき端末を確認したり、「購入から3年以上のデバイス」を抽出して更新計画を立てたりと、実務で役立つ使い方ができました。

あると便利な多様なフィルタ項目が用意されている

SaaS管理との連携で入退社対応が楽に

Adminaの通常プランを使っている場合、SaaSアカウントとデバイスを同じユーザーマスターで管理できます。

入社時は「この人にどのSaaSとデバイスを割り当てたか」、退社時は「どのSaaSとデバイスを回収すべきか」が一画面で確認できるため、対応漏れを防げます。


2. 実際に試してわかった改善点・制約

良い点だけでなく、正直レビューとして改善してほしいポイントや制約もお伝えします。

種別の柔軟性不足

現在、デバイスの種別は以下に限定されています

  • デスクトップPC/ラップトップPC/タブレットPC/Phone/モニタ/サーバ/周辺機器/その他

ネットワーク機器など、より細かく分類したい場合は「その他」で管理するしかありません。

また、マウスやキーボードといった機器も「周辺機器」という括りで管理されることになるため、それらの機器を綿密に管理する必要があるケースは運用上の工夫をする必要があります。

カスタム項目を使えば補完できますが、種別のフィルタリングには使えないため、より詳細な分類が必要な組織には向かない可能性があります。

CSVインポートが難しい

CSVインポートは、初回導入時に既存のExcel/スプレッドシートなどで管理していたデバイス情報を一括登録する場合や、MDMスコープ外のデバイス(ネットワーク機器など)を追加する場合、デバイス情報を一括更新する場合などに使用します。特に初回導入時は、登録するデバイス数が多いため、エラーが発生すると特定と修正に時間がかかります。

移行元の台帳に多数のデータがある場合、インポート時にエラーが発生する可能性が高くなります。

具体的な難しさは以下のような点がありました。

  • エラーの特定が難しい:エラー箇所が「◯行目」とだけ出るので、対象行数が多い場合どの行を修正すればいいのかパッと見での判断がしづらい。
  • 指定値の表記ゆれを起こしがち:Adminaが悪いわけではないのですが、例えば元の台帳のステータス項目が「利用中」の場合、Adminaでは「利用」という表記が正しく、エラーになってしまうので変換しておく必要がある。
  • メールアドレスの扱いに注意が必要:メールアドレスは必須項目ではありませんが、入力した場合、そのメールアドレスに紐づくユーザーがユーザーマスターに存在しないとエラーになります。共有端末などの場合はメールアドレスを空白にするか、ユーザーマスター用のアドレスを作成して、ユーザーマスターに管理目的のユーザーを登録するなどの運用が必要。

特に初回導入時に移行元の台帳から出力したさまざまなデータが混在するCSVでインポートしようとしたとき、エラーの特定が非常に難しかったため、最終的には「種別」(デスクトップPC、ラップトップPCなど)ごとにCSVを分けてインポートすることで対応しました。こうすることでエラーが発生した場合の特定が容易になりました。

何度か試行錯誤してコツを掴めば問題ありませんが、初回インポート時は時間がかかるかもしれません。

MDM側のユーザー紐付けに依存する

MDM連携の注意点として、MDM側でユーザーが紐づいていない場合、デバイスが「在庫」として取り込まれるという挙動があります。

例えば、共有デバイスなどでMDM側の運用上紐づけられないケースもあると思いますが、その場合は手動でAdminaの管理画面からユーザー紐付けをする必要があることは覚えておきましょう。

その他の細かい制約

  • デバイス一覧画面で最大100台ずつしか表示できない:大量のデバイスを管理している場合、一覧性に欠け、全体を把握しづらい場合があります。
  • 1分間に1インポートが上限:大量のデータを一度にインポートする場合は時間がかかります。
  • 1CSVあたり1000行が上限:大規模な組織では分割してインポートする必要があります
  • AdminaからMDMの情報を更新することはできない:MDM側の情報(デバイス名、OSバージョン、ユーザー紐付けなど)はAdminaに自動同期されますが、Admina画面から直接MDM側の設定を変更することはできません。情報の流れはMDM→Adminaの一方向のみです。変更が必要な場合は、MDM側の管理画面で操作を行う必要があります。

3. 導入時に知っておくべきポイント

実際に使ってみて分かった、導入時に知っておくべきポイントをまとめます。

推奨される導入フロー

  1. 事前準備:デバイス台帳の整理、管理項目の設計
  2. CSVインポート:既存台帳がある場合
  3. MDM連携:連携可能なMDMがある場合
  4. 管理コンソールでの動作確認
  5. 運用開始

公式マニュアルではCSV→MDM連携の順序が推奨されていますが、実際に使ってみたところ、MDM連携後のCSVインポートでもキー情報の資産番号が一致していればマージされることを確認しています。

ただし、運用上はCSV→MDM連携の順序で進めることで、初回からすべてのデータが統合された状態で確認できるため、CSV→MDM連携の順番を推奨します。

ユーザー紐付けの重要性

MDM側で事前にユーザー紐付けをしておくメリット

  • デバイスが「利用中」として正しく分類される
  • 利用者名で検索できないため、最初から正しい情報を入れておくことが重要
  • 後から一括で変更するのは手間がかかる

CSVインポートのコツ

何度かCSVインポートを試して分かったコツをまとめます:

  1. 種別ごとに分けてインポート:エラーが発生した際に特定が容易
  2. まずは必須項目のみ:インポート成功を確認してから、同じ資産番号のデータに対して追加項目を入れる
  3. 公式ヘルプページを必ず確認:各項目には最大文字数や特定の設定値のみを許容するものなど、入力形式の仕様が細かく定められているものがあります。インポート前に「登録テンプレート」の内容とデータと突き合わせて確認することをお勧めします。インポート用デバイス台帳CSVの作り方

4. こんな組織におすすめ

実際に使ってみて、どんな組織に向いているかをまとめます。

既にAdminaを契約している組織

  • SaaS管理とデバイス管理を一元化できる
  • 既存のユーザーマスターを活用できる

既にAdminaでSaaS管理をしている場合、Deviceプランを追加することでユーザーマスターを共有でき、管理の一元化が実現できます。

MDM連携で運用を効率化したい組織

  • MDMを併用している組織
  • 手動での台帳更新作業を削減したい

MDM連携による自動同期は、台帳管理の工数を大幅に削減できます。

基本的なデバイス管理から始めたい組織

  • スプレッドシート管理から脱却したい
  • まずは必要最低限のデバイス台帳管理から始めたい
  • 複雑な機能は不要で、シンプルに管理したい

直感的な操作画面で、IT資産管理の経験が少ない担当者でもすぐに使い始められます。

逆に、こんな組織には向かないかも

  • デバイス種別を細かく分類したい:PC以外のデバイスの場合、用意されている種別が少ないため細かな管理は難しいです。
  • Admina対応外のMDMを使っている:対応外MDMの場合は同期できません。

Admina、ここが良い・ここが惜しい

〇 良いところ

デバイス履歴の自動記録が便利

端末の利用者変更が自動で記録されるため、「この端末、以前誰が使っていたっけ?」という疑問が即座に解決します。退職者の端末再割り当て時に特に役立ちます。

MDM連携で台帳管理の手間が大幅削減

定期的なMDM管理コンソールの確認とスプレッドシートへの転記作業がなくなり、常に最新の情報を確認できます。特に複数のMDM(JamfとIntuneなど)を使っている組織では、バラバラだった管理画面を一つにまとめられるメリットが大きいです。

直感的で使いやすいUI

操作画面が分かりやすく、複雑な機能がないため、IT資産管理の初心者でも扱いやすいです。「あの機能はどこだったかな?」と迷うことが少ないのも良いポイントです。

△ 惜しいところ

種別の柔軟性不足

ネットワーク機器など、細かい分類ができません。「その他」で管理するしかなく、より詳細な分類が必要な組織には向かない可能性があります。

エラーメッセージがわかりにくい

CSVインポート時のエラーが判断しづらく、イエロー表示でもインポートできないケースがあります。修正箇所の特定に時間がかかることがあるため、初回インポート時は余裕を持って作業することをおすすめします。


【実際に使ってみた結果】結局、このデバイス管理機能は実務で「使える」のか?

結論:シンプルなデバイス台帳管理には十分、高度な管理には物足りない

「基本的なデバイス台帳管理」を目的とするなら、この機能は十分活かせると考えています。

なお、ここでは紹介しきれなかったDeviceプランの機能や特徴もありますので、Admina公式サイトも併せてご覧いただくことをおすすめいたします。

AdminaのDeviceプランについて気になっている方にこのブログが参考になると幸いです。

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参考資料

Adminaヘルプセンター:インポート用デバイス台帳CSVの作り方

https://support.itmc.i.moneyforward.com/l/ja/article/dwrsgbckjp-device-csv

マネーフォワードAdminaホームページ

https://admina.moneyforward.com/jp

Admina公式サイト:Deviceプラン

https://admina.moneyforward.com/jp/features/device

まっきー

2025年10月入社。デバイスチームのまっきー(牧野)です。
金融システムエンジニア→Webマーケター→情シスエンジニア→現職
趣味はサッカー観戦、ランニング、筋トレ、寄席演芸、ガジェットいじり、音楽ライブ、料理ほか多数。