ビジネステクノロジー

自動化SaaSのWorkatoで週8時間以上の業務時間節約が実現

はじめに

Workatoってご存知ですか?ワーカートと読みます。作業を自動化するクラウドサービスで、エンタープライズ企業で広く採用されています。サービスの詳細は、こちらをチェックしてみてください!

複雑な作業を効率化してくれるものがプログラムですが、誰もがプログラムを書けるわけではありませんよね。昨今ノーコードやローコードという言葉をよく耳にします。タクシーでも【ノーコードで〜】と芸人が歌って踊るCMが流れています。

プログラミングに精通したエンジニアでなくても、少しの知識があれば簡単に自動化ツールが作成できる時代になっています!もちろんクラウドネイティブではがんがん使っています!

様々なツールやサービスを利用していますが、その中でも史上最強の自動化サービスであるWorkatoをがんがん使った結果、どんないいことがあったのかを紹介したいと思います。

毎週丸一日分みんなの時間が空いたよ!

Workatoで色々な作業を自動化していった結果、従業員の勤務時間における作業時間が、1ヶ月で1147時間も減りました!なんと従業員ひとりあたり平均して、9.6時間/週も削減することができました。

という結果を見て、代表のシンジは言いました。

【毎週金曜日は黙々Inputをする黙々Dayにしよう】

ということで、金曜日は社内外の会議は極力なくし、各自が学習プラットフォームのUdemyで好きな講座を受講したり、社員同士の勉強会の時間や、黙々本を読んで新しい情報をInputする時間に当てることとなりました。

実際できているのかって?

それが、出来ているんですよ!!!!

もちろんどうしても外せない打ち合わせがあったりする日もありますが、基本的に全社員金曜日に黙々Inputする時間が取れるようになりました。

具体的にどんなものを自動化してるの?

弊社では現在35以上のレシピと呼ばれる自動化プログラムが稼働中です!その中でも特に活躍しているレシピたちをご紹介いたします。

タスク関連ツールの作業自動化:SlackとAsana

弊社は情報システムのコンサル会社です。お客さまからの質問に迅速かつ漏れなく確実に答えるため、チケット起票を自動化しました。

入力フォームやサポートチャットではなく、お客さまとSlackを通じて会話をしているので、質問だけでなく様々なやりとりがSlack上で行われます。その中から管理対象にすべき質問は、もれなく確実に返答したいわけです。

チケット起票自動化レシピ

Slackでのお客様のご質問メッセージに「起票しました」と書かれた絵文字リアクション一つで、タスク管理サービスのAsanaに起票することができます。

流れはこんな感じ!

起票にあたって、回答を担当するメンバーのアサイン、クローズの報告などがAsanaを開くことなくSlack上で完結します。Slack上の操作とAsanaのチケットのステータスは即時に同期されます。

また、返答期日が過ぎそうなチケットをAsanaからWorkatoが毎日探してきて、毎朝9時に、Slack上でメンバーにアラートを出して教えてくれます。

効果

  • 誰でも質問を見つけたら瞬時に起票できるので、見落としや返答漏れがなくなった。
  • お客様にも「起票しました」スタンプが見えることで、ステータスがわかる。
  • 軽い質問であれば、その場で解答して即クローズすることができる。
  • 誰がどれだけ質問に答えているかやどれだけの時間がかかっているか把握することができる。
  • 週間で一人あたり1.8時間の作業時間の短縮。1日10件(1件3分)×1ヶ月=約600分(10時間)→約200秒(3分弱)。

勤怠管理サービスそのものを作ったよ

出退勤や有給休暇の申請や管理を、Slack上で完結することができます。勤務状況の可視化が、他社の勤怠システムでは満足いかなかったので、外部の勤怠管理システムを導入することなく、全てWorkatoで作ることにしました。

勤怠アプリを開いて出勤を押したりしなくていいんです!

そしてそれをSmartHRと連携して給与マスタへの反映を含む完全な勤怠管理システムを構築しました!

勤怠管理レシピ

Slackで「/time」と入力すると、勤怠管理の操作について網羅されたモーダルウィンドウが出現しすべての操作がSlack上で完結します。モーダルを使わなくても、「/time [in] [out] [break] [back]」のショートカットで一発操作も可能です。

退勤時には、その日の労働時間、月間労働時間、有給休暇の残り日数、予約されている有給休暇の日数が表示されます。

出退勤時のBotは、シンジが愛猫すだち君と戯れながら考えた150種類以上のメッセージがあり、朝からクスッとなります。

この勤怠の情報はGoogle Spreadsheetに集約されるようになっていて、管理者のみが編集権限を持っています。ユーザーから修正の申請をすると、管理者へ修正内容と「承認」「拒否」ボタンが通知され、承認するとGoogle Spreadsheetに修正内容が反映されます。

この他、現在の就業状況をSlackのステータスを利用し絵文字として表示させることで、その人の勤怠状況が一目でわかります。

効果

  • Slack上にその日と月間の労働時間が表示されることで、疲労が溜まっていないか、タスク管理は適切かなど、働き方をチームメンバーが互いに意識するようになった。 ※弊社ではすべての従業員が#time-[UserName]という自分のチャンネルを持っており、今やっていること、楽しいこと、疑問や悩みなどをつぶやく文化があります。
  • 有給休暇の日数だけでなく、いつまでに取得すべきかも表示させることで、有給休暇取得への意識が高まりました。
  • 全従業員が利用するシステムの為、会社がスケールし従業員が増えるほどROIが上昇していきます。
  • 労働時間や有給取得率など従業員の働き方に深く関わるデータを的確に取得できました。

API非実装の会計SaaSをスクレイピングし入金を通知する

RPAでは実現できなかった自動化もあるんだよ!

日本の経理や会計業務に関わるSaaSはまだまだAPIを実装していないことが多く、自動化の障害になっています。

銀行口座の入出金状況は弊社で利用しているMoneyFoword会計で取得が可能、ただし必要なAPIを実装していないので、サービスにブラウザでログインして口座ごとにダッシュボードの画面を切り替えながら確認する必要がありました。また、銀行口座とMoneyFoword会計との同期は手動で更新しなければならず、同期も不安定でラグがありました。

そこで、APIを持っていない会計SaaSをスクレイピングするカスタムコネクタを作成し、銀行口座のアクティビティをリアルタイムでSlack上に通知できるようにしました。

スクレイピングレシピ

これまではAWS API GatewayとAWS Lambdaによって、Webサービスのスクレイピングからデータの取得までの一連の自動化を行っていましたが、これをWorkatoのカスタムコネクタとして作成し移行することで、WorkatoがスクレイピンングされたデータをSlackに通知したり自由に利用できます。

スクレイピングの機能をコネクタとして実装しているので、SlackだけでなくWorkatoが受け取ったデータを他SaaSと連携させたりすることができます。

銀行口座とMFとの口座情報の同期が不安定なため、口座情報の更新とスクレイピングを5分ごとに交互に実行しています。

AWS Lambdaではコードの書き換えや監査にプログラミングの知識が必要で、鍵管理も専門の知識が必要でしたが、レシピ化することで一挙に解決しました。

効果

  • 入金確認のためにMoneyFoword会計にログインする必要がなくなった。
  • Slackに通知することで、社内で入金の情報共有をする必要がなくなった。
  • 入金だけでなく、残高も通知させることで、リアルタイムなキャッシュフローを見える化できた。
  • 今後は、販売管理と連携し、請求金額と入金を突合し、ステータスを自動で変更するようなレシピを開発する予定。
  • 経理1名の月間短縮時間は月間164分
    • MFへのログインと確認 20秒×3口座×22日=毎月22分
    • 入金の内容をコピペしSlackで報告 10秒×3口座×1日3回×22日=毎月33分
    • 入金状況によるキャッシュフローの確認 30分×月4回=毎月120分

弊社は経理が一人です。そんなスーパー経理がフルリモートでの経理の働き方をblogで紹介しましたが、こういった自動化があるからこそ、フルリモートが難しいと言われる経理のお仕事がフルリモートできるのです。

どんな感じで作っているの?

Workatoの社内窓口となる専任の担当者が複数人いて、「あっ、これ自動化できるんじゃね?」と日々目を光らせています。

弊社はSlack文化のため、大事なアナウンスも全てSlackでつぶやきます。

この投稿を見た自動化職人のバルスはこう考えます。

そして、相棒まるちゃんに声をかけ、すぐにActionを起こします。

こうして、Workatoチームは日々社員の投稿をみて、積極的に自動化作戦をたててサクッとレシピを作ってしまいます。ちなみに、この「やっちゃいましょう」と親指立ててカッコよく言っているまるちゃんは、プログラミング未経験者です。

このように、Workatoを直接触らない従業員の声を、Workatoチームが積極的に拾う体制にしたことによって、このような成果が生まれました。

その結果、社内にWorkatoによる自動化が定着し、誰もが「これは自動化できるのではないか」とSlackでつぶやくようになり、即座に自動化が実施され、Workatoが社内文化として形成されました。

おわりに

私の前職WeWorkでもSlackは使っていましたが、クラウドネイティブに入社して、「Slackってこんなこともできるの?」と驚くことがたくさんありました。それが実はWorkatoによって作られていたのを知った時はとても感動しました!

今年中にわたしもWorkatoを使って自動化レシピを作ってみたいなと思っている今日この頃です。

実は新卒で入社した会社で、JavaとC言語の研修を受けたことがあるんです!

でも・・・【printf】くらいしか覚えていません。そんな私でもできるかどうかのレポートをお楽しみに!

おしまい♪

さゆり

漫画・アニメとワインとビリヤード(万年B級)が好きです。子供が寝た後に、ワインを飲みながら、NetflixやAmazon Primeで昔のアニメを流し、アプリでひたすら漫画を読んでいる時間が至福の時間。