こんにちは!tsuji です!
突然ですが、企業の PC を管理する IT 担当者の皆さん、こんなお悩みはありませんか?
- 「社員がどんなブラウザ拡張機能を使っているか管理できていない…」
- 「セキュリティ上、危険な拡張機能のインストールを禁止したい」
- 「業務で必須の拡張機能を、全社員に一括でインストールさせたい」
そんなお悩みを解決するのが、Microsoft Intune を使ったブラウザ拡張機能の管理です。 この記事では、Intune を活用して Google Chrome と Microsoft Edge の拡張機能を効率的に管理する方法を、分かりやすく解説します。セキュリティ強化と業務効率化の第一歩を踏み出しましょう!
はじめの一歩!拡張機能 ID の調べ方 🔍
拡張機能を管理するには、まずそれぞれの拡張機能に割り当てられた固有の「拡張機能 ID」を知る必要があります。ID の確認方法は 2 つあります。
1. ウェブストアの URL から確認する方法
一番簡単なのが、Chrome や Edge のウェブストアで拡張機能のページを開き、その URL を確認する方法です。
URL の末尾にある、ランダムな英字の羅列が「拡張機能 ID」です。
例:https://chrome.google.com/webstore/detail/my-apps-secure-sign-in-ex/ggjhpefgjjfobnfoldnjipclpcfbgbhl
この場合の ID は ggjhpefgjjfobnfoldnjipclpcfbgbhl
となります。

- 同じ名前の拡張機能でも、Chrome 版と Edge 版では ID が異なります。必ず管理したいブラウザのストアで確認してください。
- URL の末尾に
?hl=ja
のようなパラメータが付いている場合は、それより前の部分が ID です。- 例:https://chrome.google.com/webstore/detail/my-apps-secure-sign-in-ex/ggjhpefgjjfobnfoldnjipclpcfbgbhl?hl=ja-jp
2. ブラウザの管理画面から確認する方法
既に拡張機能がインストールされている PC があれば、ブラウザの設定画面からも確認できます。
- 各ブラウザで拡張機能の管理画面を開きます。
- Chrome:右上のメニュー(︙)> [拡張機能] > [拡張機能を管理]
- Edge:右上のメニュー(…)> [拡張機能] > [拡張機能の管理]
- 「デベロッパーモード」または「開発者モード」のスイッチをオンにします。
- 各拡張機能のカードに ID が表示されます。

Intune で実践!ブラウザごとの拡張機能制御 🔧
拡張機能 ID が分かったら、いよいよ Intune での設定です。Intune では、主に以下の 3 つの制御が可能です。
- 許可する拡張機能:基本的にインストールを禁止しつつ、特定の拡張機能だけを許可する。(ホワイトリスト方式)
- ブロックする拡張機能:特定の不要・危険な拡張機能のインストールを禁止する。(ブラックリスト方式)
- 強制インストールする拡張機能:業務で必須の拡張機能をユーザーの操作なしで自動的にインストールする。
それでは、ブラウザごとに設定方法を見ていきましょう!
Google Chrome の管理設定
Intune の管理センターから、以下の場所にある設定カタログでポリシーを作成します。
- 設定場所:
[構成プロファイル]
>[設定カタログ]
>[Google]
>[Google Chrome]
>[拡張機能]
許可する拡張機能の設定 (ホワイトリスト)
- 設定項目:
Configure extension installation allow list
- Extension IDs to exempt from the blocklist (Device)
- 設定内容:許可したい拡張機能の ID を入力します。
- 例:
ggjhpefgjjfobnfoldnjipclpcfbgbhl
- 例:
ブロックする拡張機能の設定 (ブラックリスト)
- 設定項目:
Configure extension installation blocklist
- Extension IDs the user should be prevented from installing (or * for all) (Device)
- 設定内容:ブロックしたい拡張機能の ID を入力します。
- すべての拡張機能をブロックし、許可リストにあるものだけを使わせたい場合は、
*
(アスタリスク)を入力します。これが最も安全な運用方法です。
- すべての拡張機能をブロックし、許可リストにあるものだけを使わせたい場合は、
強制インストールする拡張機能の設定
- 設定項目:
Configure the list of force-installed apps and extensions
- Extension/App IDs and update URLs to be silently installed (Device)
- 設定内容:**「拡張機能 ID」と「アップデート URL」**をセミコロン(
;
)で区切って入力します。Chrome の場合、アップデート URL は固定です。- 書式:
<拡張機能ID>;https://clients2.google.com/service/update2/crx
- 例:
ggjhpefgjjfobnfoldnjipclpcfbgbhl;https://clients2.google.com/service/update2/crx
- 書式:
Entra ID の条件付きアクセスでデバイスベース評価を Chrome で利用する場合は、Microsoft 公式の「Microsoft Single Sign On」拡張機能 (ppnbnpeolgkicgegkbkbjmhlideopiji
) が必要になったりするので、強制インストールしておくと便利です!
Microsoft Edge の管理設定
Edge も同様に、Intune の設定カタログからポリシーを作成します。
- 設定場所:
[構成プロファイル]
>[設定カタログ]
>[Microsoft Edge]
>[拡張機能]
許可する拡張機能の設定 (ホワイトリスト)
- 設定項目:
Allow specific extensions to be installed
- 禁止リストから除外する拡張子 ID
- 設定内容:許可したい拡張機能の ID を入力します。
- 例:
gaaceiggkkiffbfdpmfapegoiohkiipl
- 例:
ブロックする拡張機能の設定 (ブラックリスト)
- 設定項目:
Control which extensions cannot be installed
- ユーザーによるインストールを防ぐ拡張 ID (または、すべての場合は *)
- 設定内容:ブロックしたい拡張機能の ID、またはすべてをブロックする
*
を入力します。
強制インストールする拡張機能の設定
- 設定項目:
Control which extensions are installed silently
- 設定内容:Chrome と同様に、**「拡張機能 ID」と「アップデート URL」**をセミコロン(
;
)で区切って入力します。Edge の場合、アップデート URL が Chrome とは異なるので注意してください。- 書式:
<拡張機能ID>;https://edge.microsoft.com/extensionwebstorebase/v1/crx
- 例:
gaaceiggkkiffbfdpmfapegoiohkiipl;https://edge.microsoft.com/extensionwebstorebase/v1/crx
- 書式:
設定の適用を確認する方法 ✅
Intune でポリシーを割り当てた後、対象の PC で設定が正しく適用されているかを確認しましょう。
Google Chrome の場合
- 対象の PC で Chrome ブラウザを開きます。
- アドレスバーに
chrome://policy
と入力し、Enter キーを押します。 - ポリシーの一覧が表示されます。「値が設定されているポリシーを表示」ボタンを押すと見やすいです。
ExtensionInstallAllowlist
やExtensionInstallForcelist
など、今回設定したポリシーが意図した値で適用されていることを確認します。

Microsoft Edge の場合
- 対象の PC で Edge ブラウザを開きます。
- アドレスバーに
edge://policy
と入力し、Enter キーを押します。 - Chrome と同様にポリシーの一覧が表示されるので、設定した内容が正しく反映されているかを確認してください。
Intune のポリシーは、デバイスがチェックインするタイミングで適用されるため、すぐには反映されない場合があります。適用を早めたい場合は、以下の手順で手動同期をお試しください。
- Windows の [設定] を開きます。
- [アカウント] をクリックし、[職場または学校にアクセスする] を選択します。
- 組織の Entra ID アカウント(例:
yourname@company.com
に接続済み)を選択し、[情報] ボタンをクリックします。 - 「デバイスの同期の状態」セクションにある [同期] ボタンをクリックします。
これで、デバイスが Intune サーバーに接続し、最新のポリシーを取得しにいきます。同期が完了したら、再度 chrome://policy
や edge://policy
で確認してみてください。
まとめ
今回は、Intune を使って Chrome と Edge のブラウザ拡張機能を管理する方法について解説しました。
- まずは拡張機能 ID を正しく確認する
- 「許可」「ブロック」「強制インストール」の 3 つのポリシーを使い分ける
- Chrome と Edge では設定項目やアップデート URL が異なる点に注意する
これらのポリシーを活用することで、セキュリティリスクを低減し、全社的な IT 環境の標準化と生産性向上を実現できます。ぜひ、自社の環境に合わせて設定を試してみてください!