IDチームの前田です。今回は2025年5月13日に発表されたNotion AI for Workの議事録生成機能「Notion AI Meeting Notes」について検証しました。
筆者は以前、Azure OpenAI Serviceリファレンスアーキテクチャとして掲載された議事録生成ツールを開発した経験があるため、当時の技術的課題が解決されているかも確認しました。
3行まとめ
- Notion AI Meeting Notesは会議音声を自動で文字起こしし、その後要約も生成するツール
- 6〜7割精度の議事録の下書きがAIにより生成可能で、人間があとから編集可能
- 今回のNotion AI for WorksのアップデートでNotion AIがかなり実用的になってきた印象がある
Notion AI Meeting Noteとは
- https://www.notion.com/ja/product/ai-meeting-notes
- Notion AI Meeting Noteは、オンライン・対面問わず会議内容をリアルタイムで文字起こしし、AIが即座に要約を生成できる機能です
- デスクトップアプリで利用でき、Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsなどのオンライン会議に対応しており、システム音声を直接録音するため、botや追加ソフトなしで会議内容を記録できます
- 会議終了後、AIが議事録や要約を自動的に生成し、重要な決定事項や行動計画を整理してNotionワークスペース内で共有できるため、チーム全員が迅速に情報にアクセスできます
実際の動作
Notion AI Meeting Noteはシステム音声を利用し、それをデスクトップアプリで文字起こししています。
- メンバーの誰か1人がNotionデスクトップアプリから、AI Meeting Noteを開始する
- Zoomなどの音声をシステム音声から取得
- デスクトップアプリでリアルタイムに文字起こし
- ミーティング終了時に、文字起こしの内容から要約を作成
生成されている文章は逐次デスクトップアプリからNotionに書き込まれているため、他のメンバーも確認可能です。
下記のような形で動作します。

実際に動かしてみる
Notion AI Meeting Noteの利用にはNotionデスクトップアプリが必要です。
検証環境
検証環境は下記になります。
- MacBook Pro 16インチ
- OS: macOS 14.7.1
- Notionデスクトップアプリ: 4.10.0
AIミーティングノートを開始する
メンバーの誰か1人が、Notionのデスクトップアプリから /ai
もしくは /meet
と入力するとAIミーティングノートが起動出来ます

AIミーティングノートを使用する場合、参加者から同意を求めるための音声や文章を取得できます。これを会議参加者に共有し、同意を得る形になります。

リアルタイムで文字起こし
システム音声から取得した音声を文字起こしに利用しているため、Zoomなどの会議ツールはもちろん、オフライン会議でマイクから取得した内容にも対応しています。
システム音声が利用出来るので、今回はNotion公式のYouTube https://www.youtube.com/watch?v=f4ZYEZO3Sq0 の音声を利用した場合は下記のようなリアルタイムで文字起こしが進んでいきます。
この間、他のメンバーはブラウザ上で文字起こしの様子を確認できますし、メモタブにメモを残すことも可能です。

実際のチームデイリーで利用したスクリーンショット。これは筆者が以前開発したAI議事録アシスタントと同様で、
- 話者の判別が出来ていない
- 固有名詞や略称などが判断出来ない
- 音声品質や滑舌などに大きく左右される
詳しく調べていませんが、文字起こしは裏側ではWhisperか何かが動いているのかなと思いつつ、マシンへの負荷はそこまでないため快適です。

文字起こしは編集ができるので、固有名詞や明らかに間違っている箇所は後から修正が可能です。
要約
停止ボタンを押すと、文字起こしの内容から要約が作成されます。要約の精度はそれなりに高く、雑談などはきちんとカットされていました。

Next Actionとかも内容から判断し、作成してくれる。

こちらも文字起こしと同様に、要約も編集ができるため、下記のように修正・整形することが可能です。下書きはAIミーティングノート、清書は人間という形が取れます。

要約の再試行もできるので、文字起こし自体を修正して要約の精度を上げることも可能です。

Zoomの文字起こしと要約
参考までに、Zoomの文字起こしと要約機能との比較です。チームデイリーではラジオ体操をしているのですが、ラジオ体操がメインの要約になっています。

なぜリモートでラジオ体操をしているのか疑問に思われる方もいると思うので、気が向いたら別記事で書きます。
所感
- 話者判別が出来ず、また文字起こしの精度はまだまだイマイチ
- 文字起こしの精度に対して、要約の精度はかなり高く、議事録としてもちゃんとしたものが生成される
- 文字起こしと要約があとから編集できるので、6〜7割精度の下書きをNotion AIミーティングノートが作成し、人間が仕上げるという効率化が可能
- Notionデスクトップアプリから起動しないといけないのが操作として煩わしい
- 従来の議事録ツールと異なり、Notion上で完結するため転記作業が不要なのは便利
以前筆者が議事録生成ツールを開発したときと同様、文字起こしの精度はまだイマイチでしたが、要約の精度は大分上がっているため、議事録生成の補助ツールとしてはかなり有用そうです。
Notion AIの価格はそれなりにしますが、今回発表された「Notion AI for Work」により、Notion上でOpenAI GPT-4.1やAnthropic Claude 3.7 Sonnetが利用できるようになったため、単体で契約するよりも安く、良い選択肢になりそうです。

NotionのテンプレートにAIミーティングノートを入れておくことで、会議開始時に動かすのを忘れることを防止出来そうです。
