3行まとめ
- 研修資料のパワポをもとにBox AIで問題を生成してみた。
- 資料の内容に沿った問題・解答・解説を生成することができた。
- 文体に怪しい部分は多いが、すぐパターンを変えて生成できるのは便利。
はじめに
こんにちは、おくさんです。
ISMSを取得している企業もそうでない企業も、セキュリティ研修、個人情報保護研修、コンプライアンス研修など、様々な社内研修を実施します。
そして研修には、研修に見合う学びが得られたか効果測定がつきもの。
つまり、テストが必要です。
しかし、一からテストを作成するのは案外面倒です。
選択肢として何を提示するか、どの部分を抜き出せばよいかなど、考えることが多々あります。
そこでAIに任せてみよう、というのが今回のおはなしです。
AIが参考にするべき情報は、研修資料として作成済み。
弊社ではBox AIという便利なものが使えるので、そこから問題を生成すれば楽ができるはず!
- 本機能を利用するには Enterprise Plus のライセンスと管理者操作が必要です。
- 本ブログの内容は、2023年12月21日時点までの情報を元に作成しております。
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やったこと
個人情報保護研修の資料は、Box上で作成した普通のPowerPointファイルです。
49ページありますが、一部の図を除き、ほとんどテキストで記載されています。
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そのファイルに対して、Box AI for Documentsを利用しました。自然言語でコンテンツ(ドキュメント)に関して質問することで、そのコンテンツのことを理解したAIから回答をもらえる機能です。
詳しくは以下のブログを参照頂きたいのですが、使い方は非常に簡単です。
対象のBoxファイルを開き、Box AIのアイコンをクリックすれば入力フォームが開きます。
そこへ質問を入力するだけです。

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雑に投げてみる
まずは、指示無しでざっくりと依頼してみます。
この資料に関する研修を受講した人向けに、テスト問題を作成してください。

おお、ちゃんと問題になっていますね。
ただ、問題形式を指定していないので、Google Formで扱いにくい問題(3つ挙げるなど)が混じっています。
このままだと使い辛い。
なお、追加で問題を生成してもらおうとしましたが、直前のスクリプト内容は考慮してくれませんでした。
複数の問題を生成したい場合は、生成する問題数を指定しましょう。
別のテスト問題も生成してください

問題形式の指定
次は、王道の4択問題で作ってもらいましょう!
この資料に関する研修を受講した人向けに、4択のテスト問題を作成してください。
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四択問題になっていますね!
問題数は指定しませんでしたが、今回は4つ生成してくれました。
見たところ、間違いは少ない。
中国語っぽい言い回しになっていたり、微妙に違ったりしますが、概ね問題になっています。
これならたたき台に使えそう。
…よく見たら、二択問題が混じってる!
出題範囲の指定
次は、問題の出題範囲を指定してみます。
これができれば、重要な要素に絞った出題もできますね。
個人情報の周辺知識である、プライバシーに関しての出題はどうでしょうか?
この資料に関する研修を受講した人向けに、プライバシーに関する4択のテスト問題を作成してください。
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1問目はいいのですが、2問目からはネタ切れか、特にプライバシーに関係の無い問題になっています。
では、別のテーマならどうか?
次は個人情報の第三者提供について。
この資料に関する研修を受講した人向けに、個人情報の第三者提供についての4択問題を作成してください。

いいですね、プライバシーと違って第三者提供に関する問題を出題してくれています。
内容としても、ちょっと修正を入れれば使えそう。
ただ、問題が終盤になるにつれて怪しくなっていく傾向があります。

もはや四択問題ですらない。ホラー味がある。
色々試しましたが、問題数は少なめ(1-3問)で依頼した方が、まともな答えが返ってくるように思います。
Box AIの性能の問題かと思いますが、長文を出力すると内容が怪しくなる傾向があります。
下記の解説も付ける場合は、1問ずつ生成するのが無難です。
解説の指定
問題ばかりに気を取られていましたが、テストである以上答え合わせも必要です。
回答の生成と、ついでに回答の解説についても生成を試してみましょう。
ここまでできるとすごくありがたい。
この資料に関する研修を受講した人向けに、4択のテスト問題を1問作成してください。
その問題の解答と、なぜその解答が正しいかの説明をしてください。
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よさそうな回答ができました。
日本語は怪しいですが、回答は概ね合っています。
問題数だけキーワードを用意して、生成させればテストのたたき台の完成です。
もちろん、キーワードのリストアップ自体もAIにお任せできます。
この資料から、重要なキーワードを10個選んでリストにしてください。
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まとめ
Box AIでテストを生成してみた感想ですが、問題・解答に加えて解説まで、思った以上に正しく生成できて驚きました。
一度に大量に出力させようとすると変な出力が出てしまいますが、出題範囲や出題形式を変えてすぐに生成できるので、1問ずつ生成してもあまり手間はかからないように思います。
スライドを作成したBox上からすぐ使えることで、考える手間を削減してくれそうです。
しかしベータ版なのもあってか、誤った内容が混じることや、日本語がおかしいこともあります。
AI全般に言えることではありますが、過信せず、あくまでたたき台として使うのがよいと思います。