こんにちは、セキュリティチームのばーちゃんです!
本ブログでは、セキュリティアウェアネスの自社オリジナル問題に画像を挿入できる新機能をご紹介します。また、「セキュリティアウェアネスとは何か?」についても併せて解説します。
3行まとめ
- セキュリティアウェアネスは、マイクロラーニングの概念を体現した機能
- テンプレート問題だけでなく、自社オリジナル問題も作成可能。問題文に画像も挿入できる
- セキュリティ教育だけでなく、企業理念(MVV)や業務手順の周知にも活用できる
まずはセキュリティアウェアネスの大事な概念である、マイクロラーニングからおさらいしましょう!
マイクロラーニング
マイクロラーニング(Microlearning)とは、その名の通り「極小単位の学習」のことです。 従来の研修のように、1時間〜数時間をかけて体系的に学ぶのではなく、「1回1分〜5分程度」の短い時間で、特定のトピックに絞る学習スタイルを指します。
マイクロラーニングには以下の利点があります。
1. 心理的ハードルが低く、受講率が上がりやすい
「これから60分のセキュリティ動画を見てください」と言われると、忙しい業務の合間に行うのは億劫になり、後回しにされがちです。 しかし、「3分で終わるクイズをやってください」であれば、「移動中にやろう」「会議の前に済ませよう」「始業時に終わらせよう」と、心理的な負担が少なく取り組むことができます。結果として、教育の完了率(受講率)が向上しやすくなります。
2. 記憶が定着しやすい
人間の脳は、一度に大量の情報を詰め込んでも、そのほとんどをすぐに忘れてしまうと言われています。 一方で、情報を小出しにして繰り返すマイクロラーニングは、記憶の定着に効果が出やすいです。「年に1回の集合研修」よりも、「毎月1回の3分学習」の方が、知識として定着しやすいのです。
3. 必要な時に学べる
業務でトラブルが起きた時や、新しいツールを導入した時など、必要なタイミングでピンポイントに教育を提供できます。
これまでは「マニュアルを作ろう」と思うと、WordやPowerPointで数ページの資料を作成し、それを配布する重い作業になりがちでした。 しかし、セキュリティアウェアネスを使えば、規模の小さいクイズ形式の問題を簡単に作成・配信できます。
マイクロラーニングの理解はバッチリでしょうか?
つづいてオリジナル問題作成の手順と、活用シーンをご紹介します。
セキュリティアウェアネスで「オリジナル問題」を作成しよう
これまでセキュリオでは、セキュリティ専門企業であるLRM社が監修した高品質な教材を提供してきました。提供してきた教材は、一般的な情報セキュリティや個人情報保護に関する内容が中心で、もちろんこれらは全企業にとって必須の知識です。
しかし実際の業務現場では「その会社独自のルール」が存在しますよね。そのため、ユーザーの皆様からは「自分たちでオリジナルの問題を作りたい!」「自社の独自ルールを周知させたい」といったご要望を数多くいただいておりました。
その声に応えるように、2025年4月に実装されたのが、オリジナル問題の作成機能です。
一般的なセキュリティ知識だけでなく、「自社だけのルールや文化」「自社のミッション」を効果的に出題することができるようになりました。
作成手順は以下のとおりです。
[ホーム] > [セキュリティアウェアネス] > [問題一覧] > [問題登録]

(参考)詳細な手順は以下をご確認ください。
活用シーン:一般的な話だけで終わらせない
この機能の最大の利点は、「自社の文化や運用ルールに100%フィットした教育」が実現できる点です。
具体的にどのようなシーンで役立つのか、いくつか例を挙げてみます。
活用シーン①:社内ローカルルールの周知
オリジナル問題を使えば、以下のような「自社独自の運用ルール」をクイズ形式で学ばせることができます。
- 例:最終退場時の施錠方法が記載されたマニュアルの場所を答えてもらう問題


他にも、以下のような問題が考えられます。
- 社内Wi-Fiの利用規定
- 来客時の対応フロー
- 経費精算システムのパスワード変更方法
社内で多い「問い合わせ」をクイズ形式で配信していけば、問い合わせ自体を減らせる可能性もあります。
活用シーン②:企業理念やMVVの浸透
セキュリティ以外の用途でも、セキュリティアウェアネスの機能を活用できます。 例えば、組織のミッション、ビジョン、バリュー(MVV)や、チームが大切にしている行動指針をクイズ形式にし、理解度テストを実施することも可能です。
- 「今期のチーム目標を正しく理解しているか?」
- 「当社が大切にしている3つのバリューを答えられるか?」
このように、単なる「訓練」ツールを超えて、「組織の文化を醸成するためのツール」としてセキュリオを活用することも可能です。
機能アップデート:「問題文への画像挿入」に対応
最新の機能アップデートとして、問題作成時の表現力を向上させる「画像の挿入」機能が追加されました。先ほどスクリーンショットで紹介した座席表も、この機能を使って画像を挿入しています。
概要:文字だけでは伝わらないニュアンスをカバー
これまでセキュリオのテスト機能(セキュリティアウェアネス機能など)では、問題文はテキストのみしか設定できませんでした。 今回のアップデートにより、問題文に画像をドラッグ&ドロップで挿入できるようになりました。
活用シーン:直感的に見て分かる問題を作成できる
「百聞は一見にしかず」と言いますが、視覚情報は非常に重要です。画像が使えるようになったことで、以下のような出題が可能になります。
活用シーン①:怪しいメールを見分けるポイントの解説
「怪しいメールに気をつけましょう」という文章だけの問題よりも、実際のフィッシングメールのスクリーンショット(画像)を見せて、「このメールの怪しい点はどこでしょう?」と問いかける方が、圧倒的に実践的ではないでしょうか。
- Before:「送信元のメールアドレスを確認することが重要です。」(文章のみ)
- After:「受信メール画像を見て、不審な点を指摘してください。」(画像あり)

活用シーン②:パスワード変更手順の理解度チェック
社内システムの操作画面のキャプチャを貼り付け、「パスワード変更する場合はどこから操作しますか?」といった、実務に直結したテストを作成できます。
活用シーン③:グラフや図表を用いた出題
文章で説明すると長くなってしまう状況説明も、図解やフロアマップの画像を1枚貼るだけで、回答者は直感的に問題を理解できます。これにより、問題文を読むストレスを減らし、学習に集中してもらうことができます。
(補足)機能の仕様
機能の仕様は以下のとおりです。
- 枚数は1問につき1枚まで。
- サイズ制限:最大30MBまで。
- テキストなしでもOK:問題文のテキストを入力せず、画像のみで出題することも可能です。
詳細は以下をご確認ください。
【2025/11/19】セキュリオリリース情報 > セキュリティアウェアネス
おわりに
私がセキュリティ教育で最も難しいと感じるのは、従業員に「自分ごと」として捉えてもらうことです。どこかの誰かが作った一般的な教材よりも、「自分の会社の、見慣れたシステム画面や、知っているルール」が出てくる教材の方が、従業員の関心を引きやすいと考えます。
セキュリティ対策は、ツールを入れて終わりではありません。組織で働く「人」の意識が変わってこそ、セキュリティが向上していきます。「自分ごと化」がセキュリティ向上のカギだと思います。
今回の機能を活用して、ぜひ「自社らしい」「現場に即した」問題を作ってみてください。自社の文化や独自のルールを反映できる新機能を、貴社のセキュリティレベル向上、そして組織力強化にお役立ていただければと思います!

