ごきげんよう、IDチームのわかなです!
今回は、Okta WorkflowsをStarterプラン(無償5フロー)でご利用中の皆様にとって、非常に重要な仕様変更に関するお知らせです。
これまで無償プランでは実質的にステップ数の上限なく利用できていましたが、月間のステップ実行数に上限が設けられます。また、複数テナント(Org)でのStarterプラン利用にも制限がかかります。
「うちは無償プランだけど影響はあるの?」「5,000万ステップってどれくらい?」「上限を超えたらどうなるの?」
といった疑問をお持ちのID管理担当者様は、ぜひ最後までご覧いただき、早めの対策をご検討ください!
変更の対象と適用時期
- 対象のお客様:
- Starter Orgを保有しているお客様(無償5フロープランをご利用中の方も含む)
- 適用開始時期:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 1アカウントあたり1つのOrgのみの制限 | 2025年9月からの新規のお客様は1つのOktaアカウントあたりStarterプランOrgは1つまで利用可能 |
| 新規StarterプランOrgの月間上限 | 2025年10月13日から、月間5,000万ステップの上限が適用 |
| 既存StarterプランOrgの月間上限 | 2026年4月から、既存StarterプランOrgにも月間5,000万ステップの上限を適用 |
既存のお客様は猶予期間があるため、2026年4月の適用開始までに利用状況を確認し対応を検討することが重要です。
主な変更内容
今回の変更点は、大きく分けて以下の2点です。
1. 月間ステップ実行数の上限設定(5,000万ステップ)
- 月間のステップ実行数の上限が5,000万ステップに設定されます。
- 上限超過すると、その月の残り期間はWorkflowsの実行が停止。
- Stepのカウントは翌月1日に自動的にリセットされます。
2. StarterプランOrgの利用制限(1組織1テナントまで)
- これまでは、1つのOktaアカウント契約(組織)内で複数OrgのStarterプラン利用が可能でしたが、2025年9月以降の新規契約からはStarterプランOrgは1つまでの制限が適用されます。
- 既存利用者も新規テナント追加時はStarterプラン有効化不可となります。
今すぐ確認すべきこと:ステップ数の確認方法
1. テナント全体での消費ステップ数の確認
- OktaのWorkflowsのHome画面にある「Usage」パネルから、現在の実行ステップ数が確認可能となります。(若干計測のタイムラグあります)

2. 実行フロー個別での消費ステップ数確認
- 「Flow is ON」及び「Save all data that passes through the flow」が両方とも有効になっている必要があります。

- 「Execution History」タブにて下方の結果タブをクリックすると、カードごとのStep数が表示されます。

3. ステップ数のカウントに関する注意点
ステップ数のカウントは、単純な「1カード=1ステップ」ではありません。
- 処理の頻度、カード数、処理の複雑性、ループ回数などに依存します。
- 特に、Oktaとのコネクションを利用するカード(ユーザー検索やグループ操作など)は、1回の実行で数百ステップを消費する場合があります。
4. 上限超過のアラートについて
残念ながら、現時点では「上限に近づいています」といった事前の通知(アラート)機能はないとのことです。 上限に達すると突然Workflowが停止してしまうため、管理者様ご自身で定期的に「Usage」パネルをチェックする必要があります。
上限を超過しそうな場合の対処法
Usageパネルを確認し、5,000万ステップの上限を超過しそうな(または既に超過している)場合は、以下の対応をご検討ください。
1. フローの見直し(チューニング)
まずは、既存のフローをより効率的にできないか見直してみましょう。
- 不要なループ処理がないか
- 実行頻度(トリガー)が過剰ではないか
- より効率的な処理(ステップ数の少ないカード)に置き換えられないか
といった観点で、フローをチューニングします。
2. 有料プランへのアップグレード
業務上必須のフローであり、ステップ数の削減が困難な場合は、有料のWorkflowsプランへのアップグレードをご検討ください。
- 有料のWorkflowsプラン(Light 50 / Medium 150 / Unlimited)には、ステップ数の制限がありません。
まとめ
本記事では、Okta Workflows Starterプラン(無償5フロー)の利用上限に関する重要な変更点について解説しました。
- 適用時期:新規(2025/10/13〜), 既存(2026/4〜)
- 変更点1:月間5,000万ステップの上限が設定され、超過するとWorkflowが停止する。
- 変更点2:Starterプランは1組織につき1テナントまでに制限される。
- 対応策:Workflowsホームの「Usage」パネルでステップ数を確認し、必要に応じてフローの見直しや有料プランへの移行を検討する。
無償プランの範囲が変更されることは、利用中の皆様にとっては厳しいお知らせですが、ご自身の環境のWorkflows利用状況(ステップ数)を必ずご確認いただき、対策を検討されることを強くお勧めします。
この記事が、皆様のID管理運用のお役に立てば幸いです。

