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次世代 日本語IME azooKey を使い始めて文章作成が快適になった話

IDチームの前田です。先日Nuphy Air 75 V3が発表され、NuPhy Air 60 V1/V2ユーザーとしては大変気になっています。V3からはJISモデルもありますので、NuPhyキーボードのデビューにおすすめです。



さて、今回はmacOSで利用できる次世代 日本語IME「azooKey」を業務でも使い始めたという話です。

azooKeyとは

azooKeyは、2024年に「ニューラルかな漢字変換」でIPA未踏IT事業に採択されたプロジェクトで、iOSやmacOS向けに開発されているオープンソースの日本語入力システム(IME)になります。
今回はmacOS版azooKeyの話をしています。

2025年7月時点の主な特徴:

  • macOS 14以降に対応
  • ライブ変換機能を搭載
  • 高い変換精度と学習能力
  • OSSとして公開されており、誰でも開発に参加可能
  • 2025年07月現在はアルファ版として提供中

導入に至った背景

筆者はこれまでmacOS標準のIME、Google日本語入力、AquaSKKなどを利用し、ここ数年はATOKをメインで、ライブ変換を利用したいときはmacOS標準のIMEを併用していました。

併用していた理由は ライブ変換+変換精度が高い ものが存在しなかったためです。

IMEメリットデメリット
macOS標準ライブ変換が良い学習精度が低い。変換履歴を学習しない
ATOK変換精度が高い
とにかく機能が豊富
ライブ変換がない

これまでライブ変換ができて、変換精度が高いものを長年探しておりましたが、そんな時に偶然出会ったのがmacOS版azooKeyでした。

macOS版azooKeyを実際に使ってみた感想

良かった点

1. ライブ変換の快適さ

文字を入力しながらリアルタイムで変換候補が表示され、思考を遮ることなく文章を書き続けることができます。特に技術ドキュメントやブログ記事を書く際に、この機能の恩恵を強く感じています。

2. そこそこ高い変換精度

現在アルファ版ですが、変換精度は想像以上に高く、技術用語も含めて適切に変換してくれます。学習機能も優秀で、最初は誤った候補が表示されることが多々ありますが、2回目以降は意図した変換になるため、使えば使うほど自分の入力パターンに最適化されていく感覚があります。

気になる点

1. アルファ版である

現在アルファ版ということもあり、2025年7月4日時点で筆者が遭遇したものとして以下のような不安定な動作が見られます。筆者は自己責任で利用しているので特に気にしていませんが、気になる方はご注意ください。

  • Slackなどで文字入力ができなくなることがある。(Slackの再起動で復旧)
  • 初めて登場する単語の場合、明らかにおかしい変換候補が出てくる
  • Slack <=> エディタ <=> ブラウザなどアプリ切り替え時にレインボーカーソルが出てくるようになった

2. 機能の少なさ

  • 非常に若いプロダクトのため、長年開発されているプロダクトと比較すると機能が不足しています
    • 後述しますが、OSSであるためここは徐々に機能の拡充がされていくでしょう

OSSとしての魅力

azooKeyはGitHub(https://github.com/azooKey/azooKey-Desktop)で公開されており、誰でも開発に参加できます。
Discordでもやりとりが行われており、誤変換や不具合はかなり早く対応をしてくれるため、利用するにあたり安心感があります。

筆者も軽微な機能改善のPull Requestを送り、取り込んでもらいました。

自分が使うツールの改善に直接関われるのは、OSSならではの魅力です。自分の利用するIMEの開発に関われるなんて夢がありますね!

業務で利用してみてどうだったか

1ヶ月程度利用していますが、大きな問題はなく、ライブ変換と学習精度が高いため、他のIMEで感じていた不満が解消されていて、筆者にとってはメリットの方が大きいです。文字入力が非常に楽しいです。

また誤字脱字に関しては、Claude CodeやらCursorなどを使っていて、生成AIで文章作成中と最終確認をしているというのもあり、変換時にミスがあってもそこまで気にならない環境になっているという事情もあります。

今後への期待

現在はアルファ版で作者のMiwaさんの開発ブログを読むと開発を手伝ってくれる人を募集しているとのことなので、皆さんぜひ開発に参加したり機能改善をして良いものにしていきましょう。

開発に携わっているお二人はIPA「未踏事業(未踏IT人材発掘・育成事業)」のスーパークリエイターに選出されており、今後に期待です 👏

まとめ

azooKeyは、アルファ版という制約はあるものの、ライブ変換による快適な入力体験と高い変換精度を持つ、非常に使い心地の良いIMEです。特に、思考を遮らずに文章を書きたいという方にはおすすめです。

より多くの人に使ってもらうことで、フィードバックが増え、機能拡充が加速することを期待しています。興味を持った方は、ぜひ一度試してみて可能であればGitHubでのフィードバックや開発への参加していきましょう!

glidenote

memolist.vim作者. GMOペパボ、Kaizen PlatformといったWEB系スタートアップでシニアエンジニア、SRE Group Manager、Engineering Group Managerを歴任。AWS Certified Security – Specialty.
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