こんにちは!デバイスチームの牧野です。
今回は、マネーフォワード Admina(以下、Admina)のユーザーとライセンスの管理機能がどこまで使えるのか検証してみました。
情シス業務でよくある「入退社対応の属人化」「ライセンスの無駄払い」「契約更新の見逃し」といった課題に対し、Adminaがどこまで対応できるのか、実際に検証した結果をお伝えします。
この記事で分かること
このブログでは、Adminaの「ユーザーとライセンスの管理機能」を実際に触ってみて、情シス目線で 良かった点/気になった点 を整理しました。
この記事を読むと、主に次のことが分かります。
- ユーザーとライセンスの管理機能に関する特徴(何ができて、どこが便利か)
- 情シス目線で感じる導入メリット(棚卸しや退職対応、契約更新管理の観点)
- 公式ではあまり触れられていない制約と運用上の注意点(コスト管理機能や、公式連携されていないSaaSの扱いなど)
- Adminaが刺さりそうな課題や要望(どういう組織だと効果が出やすいか)
それでは、順を追って見ていきましょう!
ユーザーとライセンスの管理機能に関する特徴
連携SaaSが多い
Adminaは300を超えるSaaSとの連携に対応しており、主要なビジネスツールからニッチなサービスまで幅広くカバーしています。
連携SaaSであれば、ユーザーやライセンスなどの情報が自動で取り込まれ、Admina上での確認・操作まで含めて一元化できるため、台帳更新や棚卸しの運用工数を削減しやすい点がメリットです。
下記のような特徴があります。
- 海外SaaSは傾向として一通り網羅(例:Google Workspace、Microsoft 365、Slack など)
- 国産SaaSも一部対応(例:kintone、楽楽精算、Sansan など)
- 一方で、OBC社の奉行シリーズやSky社製品、業界特化の国産SaaSなどは未対応のケースもあります。
そのため、特に国産SaaS比率が高い企業は導入前に連携可否を確認するのがおすすめです。
なお、公式連携されていないSaaSや自社システムも「カスタムアプリ」として手動登録できるため、Excel/スプレッドシートで分散していた契約情報をAdmina上で統合的に管理できます。
ただし、カスタムアプリの場合は連携SaaSと比べて取得・更新できる情報が限られるため、注意が必要です。(詳しくは後述します)
ユーザー起点での確認が容易
ユーザーの一覧画面では、ユーザーに紐づく情報を起点に、ライセンス状況を横断的に把握できます。下記のような特徴があります。
- ユーザーに紐づくライセンスがアイコンベースで表示される(画像1)
- 付与されているロールや複数メールアドレス、2FAの有無(※2FA対応SaaSのみ)を確認できる
- 一覧からライセンスの剥奪まで実施できるため、権限の棚卸しや退職対応を効率化できる(画像2)
また、ユーザー起点とライセンス起点の両方から確認できるため、「誰がどのSaaSを使っているか」「このSaaSは誰が使っているか」といった双方向での確認が容易です。


続いて、業務上で棚卸し・退職対応をするケースを想定して、Excel/スプレッドシート管理の場合と具体的に比較してみます。
棚卸しのケース
下の図は、棚卸しを行う際の作業を「Excel/スプレッドシート管理」と「Admina」で比較したものです。

Excel/スプレッドシート管理では、各SaaSからCSVを集めて列を整形し、複数データを突合したうえで、最後は各SaaSの管理画面で個別にライセンスの剥奪を行う必要があります。
一方Adminaでは、情報が集約されているため、フィルタで対象のSaaSとユーザーを抽出し、一覧で確認して不要なライセンスを剥奪できるため、棚卸し作業をシンプルにできます。
退職対応のケース
また、同様に退職対応のケースの例はこちらです。
Excel/スプレッドシート管理では、対象者がどのSaaSを持っているかSaaS別にシートを見にいき、各管理画面から再度ユーザーを探し、削除するというステップが必要です。
一方Adminaでは、ユーザーを検索して付与状況をまとめて確認し、ユーザーが保有するライセンスの一覧から一括で剥奪できるため、退職対応を短時間で抜け漏れなく進めることができます。

検索・フィルタリング機能
ユーザー名やメールアドレスでの検索、複数条件を組み合わせたフィルタリング、フィルタ保存機能が充実しています。「ライセンス未割り当て」「2FA未設定」「最終ログイン90日以上前」などのステータスで絞り込むことで、休眠アカウントの抽出やセキュリティ設定が不完全なユーザーを効率的に特定できます。

なお、デバイス管理における検索・フィルタリング機能や利用者履歴については、AdminaのDeviceプラン(デバイス管理機能)を使ってみたで詳しく紹介していますので、併せてご覧ください。
契約更新管理
契約更新の見逃し防止機能として、通知タイミング(30日前、14日前、7日前、前日など複数回設定可能)や通知先(Slack/メール、担当者ごとに変更可能)を柔軟に設定できます。複数のSaaSテナントがある場合は、これらをまとめて管理することもできます。
なお、リマインド通知は契約日を設定したら自動でセットされるわけではなく、通知設定を行う必要があります。その反面、手動設定ゆえの柔軟性もあり、契約ごとに異なる通知タイミングや担当者を細かく調整できる点はメリットと言えます。
惜しいところで言うと、契約が自動更新か手動更新かを見分けるためのフラグやステータスはありません。これが仮に備わっていれば、契約更新手続きの要否がわかるため情シスとして嬉しい部分なのですが、今後の改善に期待したいポイントです。

制約と運用上の注意点
コストマネジメントは会計ソフト連携が大前提
Adminaでコスト管理を行う場合、財務・会計系のSaaSとの連携が大前提となります。(連携しているSaaSは公式サイトから確認可能です)
Admina単体でも請求書・領収書を集約して保存することは可能です。画像ファイルやPDFファイルのアップロードに加え、メールで届いた請求書・領収書を転送することでAdmina上に集約できます。ただし、集約した書類の内容をOCRで読み取って契約情報や費用として自動反映する機能はないため、一箇所に集約できる利便性はあるものの、それ以上の管理はできません。
契約情報の管理についても、執筆時点ではCSVでの一括登録のみ(管理画面からの直接入力は不可)となっており、正確な費用集計を行うには実用的とは言えません。SaaSの契約書類、見積もり書類をAdmina上で一括管理する用途では使えるものの、本格的なコスト最適化を目指すのであれば、会計ソフトとの連携を前提とした導入設計が必要です。
なお、今回は会計ソフト連携した場合の検証を行っていないため、連携時にできることは公式サイトをご確認ください。(SaaS別に紹介がございます。)
無形資産の管理に運用上の工夫が必要
クラウドPBXに登録している電話番号などの無形かつSaaSではない資産の管理には対応していません。AdminaはDeviceプランもありますが、このどちらでもない無形資産の管理は現状難しいようです。
電話番号をカスタムアプリでSaaSとして登録して管理するなどの運用上の工夫で代替運用が可能ですが、管理の煩雑さは残ります。一元管理を目指す場合は、他のツールとの併用も検討する必要があります。
カスタムアプリの運用(公式連携との差分)
カスタムアプリは未連携SaaS/自社システムも登録できる反面、公式連携アプリと比べて手動運用が増えます。
主に下記が考慮すべきポイントとなります。
- データ取得が自動ではない
- ユーザー/ロール/ライセンスなどの情報は連携で自動収集されず、基本は手動入力またはCSV更新が前提
- 棚卸しの一括更新は“削除”のリスクがある
- CSV一括インポート時の「CSVに記載されていないアカウントを削除する」は便利だが、運用設計がないと誤削除につながりやすい
検証結果サマリー
上記をまとめると下記のようになります。
○ できること
- ユーザーとライセンスの紐付けが一目で分かる
- 入退社時のリソース確認が一画面で完結
- 契約更新の通知が柔軟に設定できる
- 休眠状態のアカウントの抽出が容易
△ 制約事項
- コスト管理は会計系SaaSとの連携が前提(Admina単独では詳細管理不可)
- 電話番号などのSaaS以外の無形資産管理には運用上の工夫が必要
- 公式未連携SaaSも登録可能なものの、手動管理が必要
Adminaが刺さりそうな課題や要望
上記を踏まえて、特に刺さりそうなケースを3つに絞ると以下です。
- SaaSが増えすぎて、台帳更新が追いつかない
- 連携できるSaaSが多く、まず利用サービスの棚卸し台帳を最新化するきっかけとして有用です。
- 入退社対応で「この人、何のアカウント必要?or持ってる?」が毎回つらい
- ユーザー起点で保有サービスやライセンスが追えるので、確認と剥奪の手間を減らせます。
- 契約更新の期限管理を仕組み化したい
- Slack/メール通知を複数回・柔軟に設定でき、更新忘れを減らせます。
まとめ
Adminaをユーザーとライセンス管理の観点で検証したところ、Excel/スプレッドシートで運用しているSaaS台帳を移行するケースでは、工数削減につながりやすいという結論になりました。
特に、Google Workspace や Microsoft 365、Slack などのメジャーなSaaSを中心に使っている組織ほど、連携できるSaaSが多く有利です。
また、契約情報と通知設定を組み合わせることで、契約更新の漏れを防止しやすい点もメリットでした。
一方で注意点として、
- 会計系SaaSを未導入の場合、Admina単体でコスト管理を完結させるのは現実的ではなく、コスト管理まで期待するとメリットが出にくい
- 公式連携されていないSaaSや独自の社内システムが多い場合、カスタムアプリ運用が中心になり、手動入力・メンテナンスが増えやすい
という点は押さえておく必要があります。
以上を踏まえると、まずは「SaaS台帳をリアルタイムで更新可能にし、棚卸し・退職対応・契約更新管理を回せる状態にする」といった目的で導入を検討するのが現実的だと感じました。
また、以前紹介したDeviceプランも併用できれば、SaaSだけでなくデバイスも含めた一元管理に近づけられます。
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参考資料
マネーフォワードAdminaホームページ

