make SaaS

makeのエラー通知をSlackへ

はじめに

どうも、たにあんです。最近筋トレを始めましたが、膝が痛すぎて30歳目前にしてびびっております。
アドベントカレンダー2025 3日目の記事です。
Cloudnative IRS Advent Calendar 2025 – Adventar

今日はmakeのエラーに関するお話をまとめた内容です。
iPaaSには付き物ですが、自動化している処理が止まってしまうと困りますよね?
iPaaSの稼働状況を常に監視している人もいませんので、停止した場合に誰かに通知されるという仕組みが必要です。

makeの機能としてメール通知ですべて確認することができます
でも、メールを見たいですか…?自分は極力見たくありません。というわけでその辺りどうにかしようというお話です。

注意

2025年12月時点での内容です。
makeを利用中の方に向けた内容となっています。
また、makeの詳細な実装の解説は行いませんのでご了承ください。

概要

makeのエラーを適切に把握するために以下を実装しましょう。

  • 対策1:ScenarioのError Handling
    • Scenario内で想定されるErrorを適切に処理するための対策
  • 対策2:ScenarioのDeactivate監視
    • 外部サービス側の障害等でうまく動作しなかった場合の対策

対策1:ScenarioのError Handling

makeの機能のError Handlingを使って想定されるエラーには事前に対処しておきましょう。

通常、Error HandlingのModuleがあるので、それらを利用します。

私がScenarioを作成する際には、make Help Centerに記載されていない方法として、makeの「Return Output」をError Handlerとして配置することで対処しています。

実際に以下のようなScenarioを社内の自動化で使用しています。
makeの仕様上、Module毎にError Handlingを実装しなければならないですが、この方法だと比較的楽に設定することができます。


詳細についてはmakeのドキュメントも併せてご覧いただけるとより理解できるかと思います。

参考:
make Help Center – Overview of Error Handling
弊社ブログ – make 基本操作編 機能紹介:Flow Control,Tools,Text parser
弊社ブログ -「Subscenario」機能解説

対策2:ScenarioのDeactivate監視

対策1に加えて、対策2を実装することで以下のようなケースに対応します。

  • 自動化で連携している外部サービス側の障害等でScenarioを実行できない

直近弊社で発生したものだと、2025年10月のAWS障害により連携しているさまざまなサービスがダウンしたことで、Scenarioの実行がされていないケースがありました。
挙動を確認したところ、makeの仕様ではScenarioの実行前に外部サービスとのConnectionを確認しているようです。
そのため、外部サービスがダウンしているとConnectionにエラーがあるというメール通知が届くことになるので、対策1だけでは不十分でした。

これらのようなケースも見落としたくないので、以下のようなScenarioを作成しメールで通知されている内容もSlackに通知させるようにしています。

簡単にScenarioの流れを説明しておきます。

  1. make APIでList Notifications を取得
  2. 通知済みをData Storeに格納しているのでレコードがないことをチェック
  3. make APIでNotifications details を取得
  4. detailsを整形しSlackへ通知
  5. 通知できたらData Storeに通知したNotificationsの内容を登録

ちなみに、List NotificationsのAPI Endpointはユーザー毎の認証になり、個人のEmail Preferencesの設定を参照しますのでご注意ください。

コラム:他の手段は?

結論から言えばありません。

makeのEnterprise Plan限定ですが、Audit LogsやAnalyticsが機能として存在します。
Audit Logsについては、ScenarioのDeactivateやDeleteのログも残ってはいるのですが、ユーザーが実行したものに限ります。
Analyticsについては、Organization全体のエラー件数しか確認できず、どのScenarioで直近何件のエラーが出力されたか、という情報までは取得できません。

さいごに

今回紹介した内容も完璧なものではなく、makeの機能がよりよくなることを期待している部分もあります。
makeの機能要望に関してはIdea Exchangeという掲示板にて、ユーザーが投稿、投票を行っているので今回の点もいずれ改修されるかもしれません。

参考資料

  1. make Help Center – Overview of Error Handling
  2. make Help Center – Use scenario outputs
  3. 弊社ブログ – make 基本操作編 機能紹介:Flow Control,Tools,Text parser
  4. 弊社ブログ -「Subscenario」機能解説
  5. make Developer Hub – Notifications
  6. make Help Center – Manage your email preferences
  7. make Help Center – Audit Logs
  8. make Idea Exchange

たにあん

2024年12月運用支援サービス(仮)のメンバーとして入社。
とりあえずやってみるをモットーにおしごとをしています。
好きなものは甘いもの。
嫌いなものは甘いものを食べていない時間。