Claude Mythosとは?Project Glasswing・3メガバンク・日本政府の動きを整理【2026年5月版】

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アシスタント 兼 広報

こんにちは!アシスタント 兼 広報のEimiです!

最近ニュースでClaude Mythosという単語を見かけませんか?2026年4月7日にAnthropicが発表した最新AIモデルで、弊社代表のシンジも構造的な考察記事を書いています。発表からわずか1ヶ月ですが、状況が高速で動いていて、もはやIT業界だけの話ではなくなっています。

ついには高市首相が閣僚に対策を指示したり、3メガバンクがアクセス権を取りに行ったり、世界中の政府が動き出したりと、目まぐるしい展開になっています。「ニュースで見るけど、結局なに?」「うちの会社にも関係あるの?」と思っている方も多いと思うので、シンジの記事に続く形で、5月15日時点の最新動向を時系列で整理してみました。

【3行まとめ】
- Claude Mythosは2026年4月7日にAnthropicが発表した未公開のフロンティアAIモデル。脆弱性の発見・悪用の能力が人間の専門家を凌駕
- 防御目的に限定した企業連合「Project Glasswing」には約50社が参加。日本でも5月12日に高市首相が対策指示、3メガバンクがアクセス権取得へ
- 英国AISIの5月13日評価では、Mythosが2種類のサイバー攻撃シミュレーションを世界で初めて両方クリア。AI能力進展速度は従来予測を大幅に上回る

Claude Mythosの基本情報

項目内容
正式名称Claude Mythos Preview
発表元Anthropic(米国)
発表日2026年4月7日
種別フロンティアAIモデル(一般非公開)
主な能力ソフトウェア脆弱性の発見・悪用、攻撃コード生成
関連プログラムProject Glasswing(業界横断の防御連合・約50社)
利用可能な組織パートナー組織のみ(一般・API利用不可)
価格(プレビュー後)入力 $25 / 出力 $125 per 1M tokens

Claude Mythosとは?一言でいうと「強すぎて一般公開できないAI」

Claude Mythos(正式名称:Claude Mythos Preview)は、Anthropicが2026年4月7日に発表した、ソフトウェア脆弱性の発見・悪用能力に特化した未公開のフロンティアAIモデルです。 一般公開はされておらず、限定されたパートナー企業のみがアクセスできる状態になっています。

なぜ未公開なのか。ソフトウェアの脆弱性(セキュリティの穴)を見つけて、攻撃コードまで生成できる能力が突出しているからです。

Anthropic公式ブログでは「AIモデルが、ソフトウェア脆弱性の発見と悪用において、最も熟練した一部の人間以外を凌駕するコーディング能力に達した」と表現しています。一般的なコーディング能力ではなく、脆弱性発見・悪用という限定領域での能力である点が重要です。

具体的にMythosが見つけた脆弱性の例は以下の通り。

  • 27年間誰も気づかなかったOpenBSDの脆弱性を発見(OpenBSDは「世界で最もセキュアなOS」と呼ばれているにもかかわらず)
  • 16年間放置されていたFFmpegの脆弱性を発見(自動テストツールが500万回も通過していたのに見つけられなかった部分)
  • Linuxカーネルの複数の脆弱性を組み合わせて、一般ユーザー権限から完全な管理者権限まで奪取することに成功

しかもこれ、すべてAIが自律的にやったとされています。人間が指示を出さなくても、Mythosが脆弱性を見つけて攻撃コードまで作ってしまう。率直に言って、業界全体の前提が変わる出来事です。


なぜ一般公開されないのか

Anthropicは、Mythosの出力を制御する安全装置が不十分であることを理由に、一般公開を見送りました。

防御にも使えるけれど、攻撃にも使える。悪意のある人がこのモデルを使ったら、世界中のインフラに深刻なダメージを与えかねません。

そこでAnthropicが立ち上げたのが、Project Glasswingです。


Project Glasswingとは?防御目的に限定した企業連合

Project Glasswingは、Claude Mythos Previewを防御目的に限定して利用するための、Anthropic主導の業界横断企業連合です。 AWS、Apple、Google、Microsoft、NVIDIAなどローンチパートナー12社と、重要インフラを担う追加40以上の組織、合計約50社が参加しています。

参加しているのは、AWS、Apple、Broadcom、Cisco、CrowdStrike、Google、JPMorgan Chase、Linux Foundation、Microsoft、NVIDIA、Palo Alto Networksなど最初の12社のローンチパートナーに加え、重要インフラを担う40以上の追加組織、合計で約50社規模です。世界のITインフラを支えているプレイヤーが揃っています。

参加企業はMythosを使ってシステムの脆弱性を見つけ、その情報を業界全体で共有することが求められます。Anthropicの拠出規模は以下のとおり。

  • 最大1億ドル(約150億円)分のMythos Preview利用クレジットを参加組織に提供
  • 400万ドル(約6億円)のオープンソースセキュリティ組織への寄付
    • Alpha-Omega・OpenSSF(Linux Foundation経由):250万ドル
    • Apache Software Foundation:150万ドル

一般ユーザーやAPI経由でのアクセスはできません。リサーチプレビュー終了後の参加組織向け価格は、入力100万トークンあたり25ドル・出力125ドルとされており、Claude Opusの約5倍水準と高めに設定されています。


英国AISIの2つの評価レポート(4/13・5/13)

英国AI Security Institute(AISI)は、Claude Mythos Previewのサイバー能力について2026年4月13日と5月13日に2本のレポートを公開しています。 5月13日レポートでは、Mythosが企業ネットワーク攻撃と産業制御システム攻撃の両シミュレーションを世界で初めてクリアしたと報告されました。

ここからは最新ニュースです。

英国AI Security Institute(AISI)は、Mythosに関して2本のレポートを公開しています。それぞれ位置づけが異なるので、分けて整理します。

① 初回評価レポート(2026/4/13)

Mythos Previewのサイバー能力評価Mythos Previewが、企業ネットワーク攻撃シミュレーション「The Last Ones」(32段階、人間の専門家でも約20時間かかる難易度)を最後まで完走した史上初のAIモデルと評価されました。成功率は10回中3回です。

② 進展速度に関する分析レポート(2026/5/13)

自律的AIサイバー能力の進展速度に関する分析。新しいチェックポイントのMythos PreviewとGPT-5.5を加えたうえで、AIサイバー能力の倍増速度予測を更新しています。

時期倍増速度の推定
2025年11月8ヶ月で倍増
2026年2月4.7ヶ月で倍増(半分に短縮)
2026年5月Mythos PreviewとGPT-5.5はこの4.7ヶ月予測すらも大幅超過

そして同レポートで、新チェックポイントのMythos PreviewはAISIの2つのサイバーレンジを両方クリアした初のモデルと報告されました。

  • 「The Last Ones」(企業ネットワーク32段階攻撃):10回中6回成功(初回評価の3/10から大幅改善)
  • 「Cooling Tower」(産業制御システム7段階攻撃):10回中3回成功(これまでどのAIモデルもクリアできなかった超難関)

AnthropicのレッドチームリーダーLogan Graham氏も、Mythos級の能力が今後さらに進む可能性に言及しています。1年後にはこれより強いAIが出てきている可能性が高い、というのが冷静な見方かもしれません。


米政府 vs Anthropicの構図

米国政府とAnthropicの関係は、国防総省(DoD)によるブラックリスト指定とNSAによる利用継続、ホワイトハウス・財務省との協議という3つの動きが並走する、複雑な構図になっています。 いずれもMythos発表前から続く対立と、Mythos発表後の歩み寄りが混在しています。

背景を整理します。

国防総省は2月にAnthropicをブラックリスト指定済み

2026年2月、米国防総省(DoD)はAnthropicを「Supply-Chain Risk to National Security(国家安全保障上のサプライチェーンリスク)」に正式指定しました。これにより国防総省の契約事業者はAnthropic製品の利用が制限されています。

理由は、Anthropicが「大量監視(mass surveillance)」と「完全自律型兵器」への利用を遮断する条項の維持を主張し、国防総省側が要求した「all lawful purposes(あらゆる合法的用途)」での無制限利用を拒否したためです。これはMythos発表(4月7日)よりも前から続いている話で、Mythosが原因でブラックリストになったわけではありません。

Anthropicはこの指定に対して2026年3月、Pentagonを提訴しています。指定撤回を求める訴訟は現在も継続中です。

NSAはブラックリスト下でMythosを使用中(Axios報道)

ここで興味深いのが、4月19日のAxiosのスクープです。国防総省傘下のはずのNSA(国家安全保障局)が、ブラックリスト指定にもかかわらずMythosを使用していると報じられました。

国防総省所管下なのに、配下のNSAは独自にMythosにアクセスしている、という米国政府内の矛盾が浮き彫りになっています。

米財務省・FRBの動きとAmodei CEOのホワイトハウス訪問

米財務省はMythosへのアクセスを求めていると報じられ、Mythos発表後にFRBと財務省は大手銀行のCEOを招集してサイバーリスクについて協議しました。

さらに、ホワイトハウスはAnthropicと連邦機関へのMythos提供について協議を進めています。Anthropic CEOのDario Amodei氏は、ホワイトハウス首席補佐官Susie Wiles氏や財務長官Scott Bessent氏と直接会談を実施。技術が政治を動かしている、という構図が見て取れます。


【5/12】日本でも高市首相が対策指示

2026年5月12日、高市早苗首相は閣僚懇談会でClaude Mythosを念頭に、関係閣僚にサイバー攻撃対策を指示しました。 司令塔は内閣官房の国家サイバー統括室(NCO)が担い、松本尚デジタル大臣・サイバー安全保障担当大臣が中心となって関係省庁との連携を進めています。

日本でも大きな動きがありました。

5月12日の閣僚懇談会で、高市早苗首相が「AI性能の高度化を踏まえたサイバーセキュリティ対策について」発言し、関係閣僚に対策を指示しました。Mythosを念頭に置いた指示です。

具体的には、松本尚デジタル大臣(兼サイバー安全保障担当大臣)を中心に、金融や情報通信などの重要インフラへの対応や、脆弱性の発見方法を具体化する方針。司令塔となるのは、2025年に新設された内閣官房の国家サイバー統括室(NCO)です。NCOは能動的サイバー防御(Active Cyber Defense, ACD)の司令塔として設けられた組織で、Mythos対応の中核を担うことになります。

ただ、松本デジタル相は記者会見で「政府は現時点でMythosを利用できる状態ではなく、Mythosが無いという前提で対策を進めなくてはならない」とも発言しています。アクセス権を持っていない状態でどう対策するか、というのが今の日本のリアルな課題のようです。

これに先立つ4月20日には、自民党の国家サイバーセキュリティ戦略本部・金融調査会の合同緊急会議で、「日本版Project Glasswing」の組成が提案されています。金融システムを守る日本版と、基幹インフラ全体を対象とした拡大版の2つが議論されました。

経済産業省も動いており、5月1日には赤澤経済産業大臣が重要インフラ事業者(電力、ガス、化学、クレジット、石油)と意見交換を実施。「高性能AIへの対応」がテーマとされています。

金融、電力、ガス、石油、情報通信、医療などの重要インフラ事業者にとって、Mythosの動向は無視できない状況になってきました。


【5/13】3メガバンクが日本初のMythos利用へ

2026年5月13日、日経新聞は三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行の3メガバンクが、2週間程度でClaude Mythosのアクセス権を取得する見通しと報じました。 実現すれば日本企業として初めてMythosを正式に活用する事例となります。

来日したベセント米財務長官と日本の金融機関幹部による5月12日の会合で、アクセス権が主要議題として取り上げられたとのこと。3メガバンクはAnthropicと契約を結び、審査を経たうえでMythosを使う環境を整える予定です。日米連携で金融システムのサイバー防衛を強化するのが狙いとされています。

また、片山さつき財務相・金融担当相も同日、金融分野におけるサイバー攻撃対策強化のため、官民で連携する作業部会を5月14日に立ち上げると発表しました。


「日本の対応、遅いんじゃない?」という声も

ただ、政府の対応スピードに対しては苦言も出ています。

チームみらいの安野貴博党首は5月14日の会見で、「結構時間がかかった部分がある」とコメント。Mythos発表から首相が動くまで35日かかったことを指摘しました。

各国の対応スピードを比較すると、

  • 米国:4月7日の発表後ほどなくして財務省とFRBがウォール街幹部を招集
  • 英国:1週間ほどで対応開始(4月13日にAISIが初回評価レポートを公開)
  • 日本:35日後にようやく首相が指示

差は否めません。なお、チームみらいはMythos発表3日後の4月10日には国会で取り上げていたそうです。


各国がアクセス権を求めて殺到中

Mythosへのアクセスは、もはや国家安全保障の問題になっています。

状況
インド4月28日、Mythosへのアクセスに向けて米政府およびAnthropicと協議していると報道
韓国5月13日、科学技術情報通信部がProject Glasswingへの参加を打診中と報道。ただしAnthropicとのMOU(覚書)が未締結で実現は不透明
日本政府によるAnthropicへの協力要請や、関係省庁会議・官民作業部会を通じた対応が進行中

ある記事では、Mythosのアクセス権をめぐる各国の動きが「核不拡散条約に似た構図」と表現されていました。AIモデルへのアクセスが、国家間の新たな格差を生みつつあるという見方です。


Clearwingという衝撃の対抗馬

Clearwingは、Lazarus AIのEric Hartford氏が公開したオープンソースの脆弱性探索ツールです。 公開モデル+公開ワークフローでもProject Glasswingに近い脆弱性発見能力を再現し得ることを示しており、「特定モデルへのアクセス制限」というアプローチの限界を可視化しています。

Mythosの発表直後、Lazarus AIのEric Hartford氏がClearwingGitHubで公開しました。

Clearwingは「公開モデル+公開ワークフローでもGlasswingに近い脆弱性探索を再現し得る」ことを示すツールとして注目されています。Anthropic、OpenAI、OpenRouter、Ollamaなど主要なLLMプロバイダに対応し、ネットワークペネトレーション、ソースコード脆弱性ハント、リバースエンジニアリング、CVE報告ワークフローまでをカバーします。

つまり、Mythosを限定公開にしても、時間の問題で近い能力が広く出回る可能性があるということ。「特定モデルへのアクセス制限」というアプローチの限界が、すでに見え始めています。


私たちにとって何が変わるのか

ここまで読んで「すごいけど、自分には関係ないかな」と思った方もいるかもしれません。でも、Mythosが示したのはAIのサイバー能力が人間の専門家を超えたという事実。これは企業のセキュリティ対策に直接影響してきます。

東京海上ディーアールのレポートでは、こんな懸念が指摘されていました。

  • Mythosクラスのモデルが脆弱性を大量に発見し続けることで、パッチ対応の実務が崩壊する可能性
  • Mythosにアクセスできるベンダーの製品が安全性を決定づけるなら、ベンダーロックインが加速する
  • セキュリティの成否がAIモデルへのアクセス権に依存する時代が来る

当社クラウドネイティブは、Project Glasswingに参加しているCrowdStrike(EDR)など、Glasswing連合に名を連ねるセキュリティベンダーの製品も取り扱っています。シンジが繰り返し発信しているように、これからは「どのAIモデルにアクセスできるベンダーの製品を選ぶか」がセキュリティの新たな評価軸になります。こうした動向は引き続きウォッチして、お客様にも共有していきます。


1ヶ月で起きたことをタイムラインで振り返り

最後に、この1ヶ月の動きをタイムラインで振り返ります。

日付出来事
2026/2米国防総省がAnthropicを「Supply-Chain Risk」に指定(Mythos発表より前)
2026/3AnthropicがPentagon指定撤回を求めて提訴
4/7AnthropicがClaude Mythos PreviewとProject Glasswingを発表
4/10チームみらいが国会でMythosを取り上げる
4/13英国AISIが初回評価レポートを公開(TLO 3/10成功)
4/19NSAがブラックリスト下でMythosを使用中とAxiosが報道
4/20自民党が「日本版Project Glasswing」の組成を提案
4/28インド政府がMythosのアクセス権を正式要求
5/1赤澤経産大臣が重要インフラ事業者と意見交換
5/12高市首相が閣僚懇談会でMythos対策を指示。ベセント米財務長官来日
5/133メガバンクが2週間程度でMythosアクセス権確保と報道。AISIが進展速度分析レポートを公開(TLO 6/10、Cooling Tower 3/10)
5/14金融庁が官民作業部会を立ち上げ
5/15←今ココ

たった1ヶ月でこれだけ動いている、というのが実感できます。


まとめ

長くなったので、最後に要点を整理します。

  • Claude Mythos = 強力すぎて一般公開できない、未公開のフロンティアAIモデル。サイバー脆弱性の発見・悪用能力が突出
  • Project Glasswing = 約50社の防御目的限定の業界連合。1億ドルの利用クレジット+400万ドルの寄付
  • 英国AISI評価(4/13・5/13) = 4/13に初回評価、5/13に進展速度分析。Mythos PreviewとGPT-5.5は従来予測(4.7ヶ月で倍増)を大幅に超過
  • 米政府 = 国防総省はAnthropicを2月にブラックリスト指定済み。一方でNSAはMythosを使用、財務省・ホワイトハウスは前向き
  • 日本政府(5/12) = 高市首相が閣僚に対策指示、NCOが司令塔。日本版Glasswingの組成も議論中
  • 3メガバンク(5/13) = 2週間程度で日本企業初のMythos正式活用へ
  • 各国 = インド・韓国・日本がアクセス権を求めて動いており、「核不拡散」に近い構図と表現される
  • Clearwing = 公開モデル+公開ワークフローでもGlasswingに近い脆弱性探索を再現し得る可能性を提示

AIの進化スピードは想像以上に速く、1年後には今のMythosが「時代遅れ」になっている可能性も十分あります。クラウドネイティブもこの動きをしっかりウォッチしていきますので、また何か大きな動きがあったら記事にしますね。

弊社代表シンジの考察記事も、ぜひあわせて読んでみてください!


よくある質問(FAQ)

Claude Mythosとは何ですか?

Claude Mythosは、Anthropicが2026年4月7日に発表した未公開のフロンティアAIモデルです。正式名称は「Claude Mythos Preview」で、ソフトウェアの脆弱性を発見し攻撃コードまで生成する能力が人間の専門家を凌駕するとされています。

Claude Mythosは一般ユーザーや一般企業が使えますか?

いいえ、Claude Mythosは一般公開されておらず、ChatGPTやClaude.aiのようにAPIや一般向けインターフェースから利用することはできません。Project Glasswingに参加する約50社の限定パートナー組織のみがアクセスできます。

Claude Mythosが見つけた具体的な脆弱性は何ですか?

Anthropic公式が発表した例として、(1)27年間放置されていたOpenBSDのリモートクラッシュ脆弱性、(2)16年間放置されていたFFmpegの脆弱性(自動テスト500万回をすり抜けたもの)、(3)Linuxカーネルの複数脆弱性を組み合わせた権限昇格チェーン、の3つがあります。これらはすべてMythosが自律的に発見・実証したとされています。

Project Glasswingとは何ですか?

Project Glasswingは、Claude Mythos Previewを防御目的に限定して利用するための業界横断の企業連合です。AWS、Apple、Google、Microsoft、NVIDIA、CrowdStrike、Palo Alto Networks、JPMorgan Chase、Linux Foundationなどのローンチパートナー12社と、追加40以上の組織、合計約50社が参加しています。

AnthropicはProject Glasswingにいくら投じていますか?

Anthropicは最大1億ドル(約150億円)のMythos Preview利用クレジットと、400万ドル(約6億円)のオープンソースセキュリティ組織への直接寄付を表明しています。寄付の内訳はLinux Foundation経由のAlpha-Omega・OpenSSFに250万ドル、Apache Software Foundationに150万ドルです。

日本企業はClaude Mythosを使えますか?

2026年5月13日時点で、三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行の3メガバンクが2週間程度でアクセス権を取得する見通しと報じられています。実現すれば日本企業として初めてMythosを正式に活用する事例となります。それ以外の日本企業の利用は、現時点では報じられていません。

日本政府はClaude Mythosにどう対応していますか?

高市早苗首相が2026年5月12日の閣僚懇談会でMythosを念頭にサイバー攻撃対策を指示しました。司令塔は内閣官房の国家サイバー統括室(NCO)が担い、松本尚デジタル大臣・サイバー安全保障担当大臣が中心となって関係省庁との連携を進めています。ただし政府自身は2026年5月時点でMythosへのアクセス権を持っていません。

なぜ米国防総省はAnthropicをブラックリスト指定したのですか?

2026年2月、Anthropicが大量監視や完全自律型兵器への利用を遮断する条項の維持を主張し、国防総省が要求した「あらゆる合法的用途」での無制限利用を拒否したため、Anthropicは「Supply-Chain Risk to National Security」に指定されました。AnthropicはこれをめぐりPentagonを提訴中で、訴訟は継続しています。これはMythos発表より前から続く対立です。

英国AISIの評価結果はどうでしたか?

英国AISIの2026年5月13日レポートによれば、新チェックポイントのMythos Previewは企業ネットワーク32段階攻撃シミュレーション「The Last Ones」を10回中6回、産業制御システム7段階攻撃シミュレーション「Cooling Tower」を10回中3回成功させ、史上初めて両方クリアしたAIモデルとなりました。

AIのサイバー能力進展速度はどれくらいですか?

英国AISIの推定では、AIモデルが完遂できるサイバータスクの長さは2025年11月時点で8ヶ月で倍増、2026年2月時点で4.7ヶ月で倍増、と加速しています。さらにMythos PreviewとGPT-5.5はこの4.7ヶ月予測すらも大幅に超過しており、AI能力進展がさらに加速している可能性が指摘されています。

Clearwingとは何ですか?

Clearwingは、Lazarus AIのEric Hartford氏が2026年4月にGitHubで公開したオープンソースの脆弱性探索ツールです。公開モデル+公開ワークフローでもProject Glasswingに近い脆弱性発見能力を再現し得ることを示しており、「特定モデルへのアクセス制限」というアプローチの限界を可視化しています。

Claude MythosとClaude Opus 4.6・4.7の違いは何ですか?

Claude Mythos Previewはサイバー脆弱性の発見・悪用能力に特化したフロンティアモデルで、Claude Opus 4.6/4.7は汎用のフラッグシップモデルです。AISI評価では、Mythos PreviewのTLO攻撃シミュレーション完遂能力(平均22ステップ)が、Claude Opus 4.6(平均16ステップ)を大きく上回っています。

Claude Mythosは一般企業のセキュリティ対策にどう影響しますか?

東京海上ディーアールのレポートでは、(1)パッチ対応の実務崩壊、(2)Mythosにアクセスできるベンダー製品へのロックイン加速、(3)セキュリティの成否がAIモデルへのアクセス権に依存する時代の到来、の3点が指摘されています。今後は「どのAIモデルを使えるベンダーの製品を選ぶか」がセキュリティの新たな評価軸になると考えられます。


関連用語集

  • Claude Mythos / Claude Mythos Preview:Anthropicが2026年4月7日に発表した未公開のフロンティアAIモデル。サイバー脆弱性の発見・悪用能力が突出している
  • Project Glasswing:Claude Mythosを防御目的に限定して利用する、Anthropic主導の業界横断企業連合。約50社が参加
  • Anthropic:Claude AIモデルファミリーを開発する米国のAI企業。CEOはDario Amodei氏
  • AISI(UK AI Security Institute):英国政府傘下のAI安全性評価機関。Department for Science, Innovation and Technology(DSIT)内に設置されている
  • The Last Ones(TLO):AISIが用いる32段階の企業ネットワーク攻撃シミュレーション。人間の専門家でも約20時間かかる難易度
  • Cooling Tower:AISIが用いる7段階の産業制御システム攻撃シミュレーション。Mythosが世界初めてクリアした
  • Clearwing:Lazarus AIのEric Hartford氏が公開したオープンソースの脆弱性探索ツール。Glasswing的アプローチを公開モデルで再現
  • NCO(国家サイバー統括室):2025年に内閣官房に新設されたサイバーセキュリティ司令塔組織。日本政府のMythos対応の中核
  • ACD(Active Cyber Defense / 能動的サイバー防御):攻撃者より先に自国インフラの脆弱性を発見・修正する防御アプローチ
  • Supply-Chain Risk Designation:米国防総省がAnthropicに2026年2月に指定した、契約事業者にAnthropic製品の利用を制限する措置
  • Logan Graham:Anthropicのフロンティアレッドチームのリーダー。Mythosのサイバー能力評価について公的に発言している
  • CVE(Common Vulnerabilities and Exposures):ソフトウェアの脆弱性を識別する国際的な命名規則

参考記事

一次情報・公式発表

最新ニュース報道

解説記事

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