SaaS管理が大変になってきた会社が見直すべき5つのサイン

Miho Ogawa
Miho Ogawa

マーケティング担当

SaaSは便利です。
必要な機能を早く導入できて、社内の業務も軽くなります。実際、多くの企業でクラウドサービスの活用は当たり前になりました。

一方で、SaaSは増えるほど管理が複雑になります。

導入時は便利だったはずなのに、気づけば

  • 誰がどのツールを使っているのか把握しきれない
  • アカウント棚卸しが後回しになる
  • 設定変更や権限管理が属人化している
  • 問い合わせ対応ばかりで改善まで手が回らない

そんな状態になっていないでしょうか。

この記事では、SaaS管理が大変になってきた会社が見直すべき5つのサインを整理します。

まず確認したいこと

SaaS管理の問題は、単にツールが多いことではありません。
本当に問題なのは、増えたSaaSを誰がどう管理するのかが曖昧なまま運用が続いてしまうことです。

観点まだ回っている状態見直しが必要な状態
利用状況誰が何を使っているか把握できる利用実態が見えない
権限管理変更ルールが決まっている担当者の記憶に依存している
契約管理更新やライセンス数を見直せる毎回ぎりぎりで対応している
問い合わせ対応通常運用の範囲で回る日常対応だけで一日が終わる

サイン1. 誰がどのSaaSを使っているか把握しきれていない

これが最初のサインです。

SaaSが増えると、部門単位で導入されたツールや、一部の担当者だけが使っているサービスが少しずつ増えていきます。すると、情報システム部門が全体像を把握しきれなくなります。

この状態で起きやすいことは、次の通りです。

  • 不要アカウントが残る
  • 使われていないライセンスが更新される
  • 退職・異動時の整理漏れが出る
  • セキュリティ設定のばらつきに気づけない

見た目には大きな障害がなくても、運用上の負債は静かにたまっていきます。

サイン2. アカウント管理や権限変更が属人化している

SaaS管理が大変になっている会社では、設定変更や権限付与のルールが担当者個人に寄っていることがよくあります。

たとえば、

  • このSaaSの管理画面は誰が触るのか
  • 退職者の無効化はどこまでやるのか
  • 管理者権限の付与条件は何か
  • 例外対応を誰が承認するのか

こうしたことが明文化されていないと、普段は回っていても、担当変更や不在時に一気に崩れます。

属人化が進むほど、担当変更や不在時に運用が崩れやすくなります。最低限でも「誰が/どの条件で/どの手順で/誰が承認するか」を決め、例外時の判断基準まで含めて残しておくことが重要です。

サイン3. 契約更新やライセンス最適化が後手になっている

SaaSは導入後の管理も重要です。

ところが、日常運用に追われていると、契約更新やライセンス整理はどうしても後回しになりがちです。

その結果、

  • 本当は減らせるライセンスを抱えたまま更新する
  • 利用部門ごとの契約状況が見えない
  • 契約更新の直前に慌てて確認する
  • コストの妥当性を振り返れない

という状態になります。

SaaS管理の難しさは、アカウントや設定だけではありません。

コスト、契約、利用実態が分散していくことで、改善の余地があっても手をつけづらくなります。

サイン4. 問い合わせ対応に追われて改善が進まない

SaaS管理が本当に大変な会社ほど、「大きな問題」より「小さな対応」が積み上がっています。

  • パスワードリセットの相談
  • 権限変更の依頼
  • 設定確認の問い合わせ
  • エラー時の一次対応
  • 部門からの運用相談

こうした対応が毎日続くと、改善のための時間が取れません。

ひとり情シスや運用負荷の高い組織では、日常対応に追われて改善に時間を割けないケースが少なくありません。SaaS運用と情シス業務を切り分け、対応範囲と役割を整理することで、優先度の高い改善に時間を戻しやすくなります。

現場で起きがちなこと放置するとどうなるか
問い合わせ対応が多い改善施策が進まない
個別依頼が都度発生する標準化が進まない
担当者しか分からない設定がある属人化が深まる
毎回手作業で調整するミスや抜け漏れが増える

サイン5. 導入したSaaSを使いこなせていない

SaaS管理が大変な状態では、導入したツールを十分に活用できていないこともよくあります。

本来は便利になるために入れたSaaSなのに、

  • 最低限の機能しか使えていない
  • 管理設定が最適化されていない
  • 他ツールとの役割分担が整理されていない
  • トラブル時の対応が場当たり的になる

という状態になっていると、ツールの価値を活かしきれません。

SaaSは導入後の運用でつまずきやすい領域です。運用負荷が増えやすい前提で、体制や役割分担まで含めて整理しておくと、継続的に改善しやすくなります。

SaaS管理を見直すべき会社の特徴

ここまでの内容をまとめると、見直しどきの会社には次の特徴があります。

サイン典型的な状態
利用状況が見えない誰がどのSaaSを使っているか把握しきれない
権限管理が属人化している管理者や設定ルールが担当者依存
契約更新が後手ライセンス最適化や棚卸しが後回し
日常運用で手一杯問い合わせ対応に追われて改善できない
活用不足導入したSaaSを十分に使いこなせていない

1つでも当てはまるなら注意が必要です。
2つ以上当てはまるなら、すでに「がんばれば回る」段階を超えている可能性があります。

では、何から見直すべきか

全部を一度に見直す必要はありません。

まずは次の順番で整理するのが現実的です。

  1. 利用中SaaSの一覧を作る
  2. 管理者・契約責任者・利用部門を整理する
  3. 権限管理と棚卸しのルールを決める
  4. 問い合わせが多いSaaSから運用を標準化する
  5. 自社で持つ部分と、外部支援を使う部分を分ける

このとき重要なのは、「全部を内製で抱え続ける前提」にしないことです。外部支援を使う場合も、丸投げではなく「棚卸し」「運用ルール整備」「定常運用」「改善支援」など、役割を切り分けて依頼範囲を決めると進めやすくなります。

SaaS管理が苦しくなったとき、外部支援は有効か

有効です。

ただし、単に運用を丸投げするという意味ではありません。

理想は、

  • 現状を整理する
  • 優先順位を決める
  • 運用ルールを整える
  • 必要な部分だけ支援を借りる
  • 最終的には自社で回しやすい状態に近づける

という進め方です。

こちらの記事でも触れた通り、外部支援を使うことは弱さではありません。

SaaSが増え、運用負荷が高まり、改善まで手が回らなくなったときに、適切に支援を借りることはむしろ健全な判断です。


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SaaS管理の整理、運用ルールの見直し、アカウント管理の負荷軽減、情シス運用支援などは、早めに相談したほうが整理しやすいテーマです。
詳しく知りたい方は、下記ページもあわせて参考にご覧ください。

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