はじめに
こんにちは。最近2度目のゴルフスクールに通い始めたすかんくです。
アドベントカレンダー2025、19日目の記事を書いていこうと思います。
Cloudnative IRS Advent Calendar 2025 – Adventar
今回は、Intuneの実務で役立つツールをご紹介します。実はこのネタ、昨年実施した第10回EMS勉強会で話した内容です。ブログにしようと思いながらサボっていたので、このタイミングでの執筆となりました。
注意
2025年12月時点での内容です。今後アップデートにより挙動が変更となる可能性があります。
選定基準
まず今回紹介するツールを選定する上で意識した観点を記載しておきます。
早くツールを確認されたい方はスキップいただいてOKです。
作成者のバックグランドが確認しやすいこと
- GitHubの活動状況(Star数、Fork数、Issueのやり取り)が活発か
- ブログやX、LinkedIn等での発信頻度
- コードが公開されており、悪意のある挙動が含まれていないかを(必要に応じて)検証できるか
メンテナンスされていること
- 1年以内にアップデートがあるか(ツールの用途によっては更新不要な場合もある前提で)
- Windows 11や最新の管理プロトコルに対応しているか
要求スコープが過剰でないこと
- 読み取り専用で済む機能なのに「全リソースへの管理者権限」を要求していないか
- ユーザーのパスワードをツール内に保存する形式ではなく、モダン認証(OAuth 2.0等)を利用しているか
特定の課題に対する解決力の高さ
- 「バックアップだけ」「ログ解析だけ」など、目的が明確で使い方がシンプルか
- 動作させるために、複雑なライブラリや環境構築を大量に必要としないか
有志ツール利用時の心構え(留意点)
- あくまで有志の善意によって公開されているツールであり、Microsoftのサポート対象外であること(また、公開者の負担となるような問い合わせ等は避けること)
- Intuneの仕様変更により、突然使えなくなる可能性があるため、常にGitHub等の最新リリースを確認すること
- Graph APIを利用するツールの場合、どのような権限(スコープ)を要求されるかを理解して利用すること
IntuneManagement (by Mick Pletcher)
URL:https://github.com/Micke-K/IntuneManagement
- 概要
- Intune上のほぼすべての設定(プロファイル、アプリ、スクリプト等)を、GUIベースでエクスポート・インポートできます
- エクスポート元のグループ情報を保持しておき、インポート時に自動割り当てすることもできる
- 活用シーン
- 検証環境で作った完璧な設定を、そのまま本番環境へコピー
- バックアップソリューションを導入するほどではないけど、設定は控えておきたいケース
- 補足
- 近しいツールとしてIntuneCDが挙げられますが、これはもう少し監査観点よりかつ環境の準備も必要になるため割愛しました
- 一言コメント
- 公式には存在しない「バックアップ・リストア」機能をシンプルな機能へ落とし込んでおり、非常に自分好みなソリューションです
- 筆者も2021年から利用しています

Intune Debug Toolkit (by IntuneWorld)
URL:https://msendpointmgr.com/intune-debug-toolkit/
- 概要
- Windows 運用管理に特化したツールキット群です
- 管理センター(クラウド側)からでは分かりにくい、PC内部の同期状態やエラーログを、グラフィカル、あるいは整理された形で表示します
- msi パッケージが用意されているので、Intuneから配っておくことでトラブルに備えておくことが出来ます
- 活用シーン
- アプリがインストールに失敗しているが、管理画面上のステータスが更新されない
- どのポリシーが競合しているのか、PC実機で詳しく調べたい
- 一言コメント
- Intune Management Extensionのデバッグ、同期プロセスのリアルタイム可視化、過去36時間以内に適用されたポリシーの一覧出力など、細かいながらも知っておくと役立つ機能が数多く含まれています
- CMTraceが標準で組み込まれているのもGoodです

Intune Assignment Checker (by MSEndpointMgr)
URL:https://intuneassignmentchecker.ugurkoc.de/
- 概要
- 複雑な「割り当て」の状況を可視化するツールです
- 特定のデバイスやユーザーに対して、「どのグループ経由で、どのポリシーが割り当てられているか」を逆引き検索できます
- 活用シーン
- 意図しないポリシーが適用されているが、どの動的グループが原因か特定できない
- グループが多重構造になっていて、継承関係が複雑すぎて追えない
- 一言コメント
- 公式では部分的にしか対応しない逆引き機能を、スマートに実装しており非常に便利
- レポート機能で未割当状態のポリシーを特定出来るのも嬉しい

Rock my Printers (by Nicklas Ahlberg)
URL:https://www.rockenroll.tech/2023/03/14/rock-my-printers/
- 概要
- Intuneで最も苦労する「プリンタードライバの展開と構成」を、スクリプトベースで標準化・簡素化するフレームワークです
- ドライバーのインストール、ポート作成、プリンターの追加といった一連のプロセスをJSON形式の設定ファイルで管理することが可能になります
- 活用シーン
- スクリプトを自作することなく、複数のプリンター設定を標準化して全社展開
- 部署や拠点ごとに異なるプリンター構成を、設定ファイルの定義を切り替えるだけで柔軟に、かつ確実に各デバイスへ反映させたい
- 一言コメント
- 国産プリンターの対応は限定的ですし、パッケージ依存もあるので少し利用までの準備が手間ですが、それでもプリンタードライバの展開を省力化出来るのはメリットが多いということで紹介
- 特に大規模な環境において効力を発揮すると思います

おわりに
今回紹介したツールは、いずれもIntune運用の効率化に大きく貢献してくれるものばかりです。ただし、あくまで有志による非公式ツールであることを理解し、利用規約やライセンスを確認した上で、自己責任と感謝の気持ちを忘れずに活用しましょう。ではまた!

