こんにちは、ともしゅうです。CloudNativeで情シスの運用支援をしています。
みなさん、Notion Workersはもう触りましたか?
5月の発表から3か月ちょっと、Workersの周辺では管理系の更新が続いています。そして公式ヘルプによると、無料ベータには終わりが決まっていて、2026年10月15日からNotionクレジットが必要になります。課金開始日そのものも、一度動いています。
この記事は、Workersを検討するための前提を揃えるものです。いま公式に決まっていること、6月以降の主な更新、そしてまだ公式に書かれていないことを並べます。使い方や実装そのものは、弊社ブログのNotion AIマスターコース Notion Agent、Custom Agents、Workersまで全部解説に譲り、この記事は6月以降の差分と期限に絞ります。
(図1: この記事の要点。料金の基本、6月以降の更新、課金前に見る3か所)
Workersのおさらい
公式ヘルプは、WorkersをDeveloper Platformの一部で、Notionのインフラ上でカスタムコードを動かすものと説明しています。用途は3つで、データベースの同期、Custom Agents向けのツール、Webhookトリガーです。対象プランはBusinessとEnterpriseです。
押さえておいたほうがいいのは、作成権限の既定値です。公式ヘルプには「By default, Workers are switched on for the workspace (owners only).」とあり、既定ではワークスペースオーナーだけが作れる状態です。オーナーは、この設定を特定のメンバーやグループに開くことも、ワークスペース全体でWorkersをオフにすることもできます。
使い分けの手がかりは料金ページにあります。Workersが向いているのは、データの同期や更新の作成、イベントの処理といったAIの推論を必要としない処理です。何をするかはCustom Agents側が決め、決まったステップを確実に実行するのがWorkers側です。
なお、ヘルプ記事のタイトルは今も「Run custom code with Workers (beta)」で、設定画面のワーカーのタブにも「ベータ版」のバッジが付いています。課金が始まることとGAになることは別の話なので、この記事も仕様は動く前提で書きます。
Workersの料金の仕組み
単価は料金ページに書かれています。
Workers typically cost $0.0023 per run, which works out to ~4,348 runs per 1,000 monthly Notion credits ($10).
目安は1 runあたり$0.0023で、月1,000クレジット、つまり10ドル分で約4,348 runです。ただし料金ページは、1 runで消費するクレジットは実行時間や処理量によって変わると説明しています。クレジットはBusinessとEnterpriseのアドオンとして、ワークスペース管理者が購入します。
1 runはどう数えるか
料金ページはトリガーごとに、1 runの単位を明示しています。
| トリガー | 1 runの数え方 |
|---|---|
| 同期(スケジュール実行) | 同期が実行されるたびに1 run |
| ツール呼び出し(Custom Agentsから) | エージェントがWorkerのツールを呼ぶたびに1 run |
| Webhook | Workerが処理するイベント1件ごとに1 run |
同期の頻度がコストを決める理由も1文で説明されています。1分ごとの同期は1日1,440回、毎日の同期は1日1回。実行回数が増えるほどクレジット消費も増えます。
公式が示す月額の目安
以下はすべて公式が示した試算で、独自に計算した数字は加えていません。
同期の場合
| 同期の頻度 | 1日あたりの実行 | 1か月あたりのコスト |
|---|---|---|
| 毎日 | 1 | $0.07 |
| 毎時 | 24 | $1.66 |
| 15分ごと | 96 | $6.62 |
Webhookの場合
| 1日あたりのイベント件数 | 1か月あたりのコスト |
|---|---|
| 20件 | $1.38 |
| 200件 | $13.80 |
| 5,000件 | $345.00 |
ツール呼び出しの試算も同じページにあります。公式の例では、エージェント1回の実行から3〜5のWorker runが生じています。エージェントの実行回数だけを見ると、Worker側の消費を読み違えます。
Workersでマイクロクレジットが使われる理由も説明されています。マイクロクレジットはNotionクレジットをさらに細かく分けた単位で、「Workers use micro credits because they run predictable, repeatable code.」、定型で再現可能なコードを動かすからだという説明です。同じNotionクレジットの体系に乗っていますが、Notion AIの利用枠とは別の話です。クレジット管理と按分の総論は、弊社ブログのNotion AIカスタムエージェントとは?情シスが知るべき料金・権限・運用設計【2026年6月最新】が整理しています。
無料ベータと課金開始日
ここまでが料金の仕組みですが、いまはまだ請求が始まっていません。料金ページにはこう書かれています。
During the beta, Workers are free to try on Business and Enterprise plans (including Business trials). Starting on October 15, 2026, they'll require Notion credits.
ベータ期間中はBusinessとEnterpriseで無料で試せて、Businessの体験版も含まれます。そして2026年10月15日からNotionクレジットが必要になります。つまり無料で試せるのは前日までです。
料金ページも、ベータのうちに実際の業務で試して、クレジットの目安を立てておくよう案内しています。
6月以降の主な更新点
ここからが差分です。弊社のマスターコース記事が出た6月12日以降、Workersの周辺では管理系の更新が続いています。
課金開始日の後ろ倒し
まず日付そのものが動きました。6月の時点で告知されていた課金開始日は2026年8月11日でした。弊社のマスターコース記事も、当時の公式ヘルプに従って8月11日と書いています。それが現在は2026年10月15日になっていて、2か月ほど猶予が延びた形です。
Workerのチーム間共有
7月9日のリリースで、作ったWorkerを同じワークスペースのメンバーに共有できるようになりました。権限は2段階で、リリースノートの表現では、接続可能(Can connect)が使えるようになる権限、フルアクセス(Full access)が改善や新しい用途への適用までできる権限です。
開発者向けドキュメントのSharing Workersには「Sharing a Worker gives members access to its capabilities without giving them access to your source code.」とあります。共有しても、相手にソースコードは見えません。
クレジットダッシュボード
7月24日のリリースで、Workersの使用量がクレジットダッシュボードから見えるようになりました。リリースノートの表現は「Now you can track your Workers' usage in the credits dashboard, alongside your other spend.」です。
料金ページのFAQには、設定 → アクセスと請求 → Notionクレジット を開いてWorkersのタブを選ぶ、と書かれています。見られるのは管理者とWorker作成者です。無料ベータのうちは、CLIでも直近30日分の使用量を確認できます。
(図2: Notionクレジット画面の入口を示す図。Workerが1本もない状態で、Workersの行は表示されていない。数値はマスキング済み)
開発者セクションの追加
開発者ポータル自体は7月9日のリリースノートにも登場しています。8月19日のリリースでは、その入口がワークスペースのサイドバーに入りました。リリースノートにはこう書かれています。
Manage your Workers, connections, and personal access tokens from the new Developer section of your Notion workspace. See an overview of deployed Workers and logs behind every run.
デプロイ済みWorkerの一覧と、すべてのrunのログが見られるのが、管理側にとって大きい点です。日本語のUIでは、サイドバーの項目名が 開発者、開いた先の画面名が開発者ツールになっています。
有効化は 設定 → 開発者 から行います。開発者UIのトグルをオンにすると、開発者ツールが出てきます。
(図3: 設定の開発者セクション。開発者UIのトグルと個人用アクセストークンの作成)
開発者ツールを開くと、ワーカーのタブに一覧が並びます。列は名前、ワークスペース、機能、作成済み、更新済み、同期ステータスです。デプロイ済みのWorkerと更新状況が1画面に並びます。
(図4: 開発者ツールのワーカータブ。「まだワーカーがデプロイされていません」と表示されている)
監査ログのWorkersイベント
追加された時期は公式に確認できませんでしたが、Enterpriseでは監査ログにWorker関連のイベントが記録されます。公式ヘルプによると、見られるのはEnterpriseプランの組織オーナーです。管理者なら誰でも見られるわけではないので、確認を誰かに頼むときは注意してください。
記録されるのは、Workerの作成・改名・削除、有効化・無効化、デプロイとrunの成否、シークレットの操作、環境変数の取得、アクセス権の変更です。runは手動・オートメーション・同期・Webhook・Custom Agentsのどれで起動したかも区別されます。
検討のときに確かめること
公式に書かれていないことも、同じくらいはっきりしています。導入を判断する側としては、こちらのほうが気になるところです。
2026年8月26日時点で、この記事が参照した公式ページに記述がなく、判断に影響しそうなものは次のとおりです。
外部ライブラリの持ち込み(要検証)。SalesforceやStripeの公式SDKのような既成のライブラリを同梱できるかで、実装量が変わります。
1 runの実行時間とメモリの上限(要検証)。Syncsは1回のトリガーで execute を繰り返し呼ぶ設計なので、初回の取り込みを1本で流せるのか分割するのかがここで決まります。
クレジットが足りなくなったときの挙動。止まるならデータが古くなり、止まらないなら請求が伸びます。監視するのが残クレジットなのか実行回数なのかが変わります。Custom Agentsについては別のヘルプに記述がありますが、Workersに当てはめる根拠はありません。
Web上には具体的な数値を挙げる記事もありますが、公式の記述には当たりませんでした。
もうひとつ、同期の最小間隔については公式内で記述が分かれています。
| 出典 | 記述 |
|---|---|
| Syncsガイド | 「Minimum schedule is 5m, maximum is 7d.」 |
| SDKリファレンス | 「Interval schedules must be at least 1m and at most 7d.」+continuous(システムが許す限り頻繁に実行)という選択肢 |
| 料金ページ | 1分ごとに実行される同期を前提にした試算 |
ガイドは5分が下限、SDKリファレンスは1分が下限で継続実行の選択肢もあり、料金ページは1分間隔の同期を前提に計算しています。どれが現在の正なのかは、公式の記述だけでは断定できません。既定値については、Syncsガイド、SDKリファレンス、Workers overviewの3つが一致していて、スケジュールを指定しない場合は30分ごとです。コストに直結する数字なので、1分間隔を前提にした設計をするなら、実機で確かめてからにしたほうがいいところです。
課金開始までに見る場所
最後に、10月15日までに開いておく画面を3つ挙げます。ここでは場所だけ案内します。
1つ目は開発者ポータルのワーカータブです。 この画面に表示されるデプロイ済みWorkerと、その更新状況を確認します。
2つ目はクレジットダッシュボードです。 無料のうちに実行回数の実績を見ておくと、課金が始まったときの消費の当たりを付けられます。
3つ目は設定のワーカータブです。 現在、作成権限が誰に開いているかを確認します。日本語のUIでは「ワーカーを作成できるユーザー」という項目で、既定は「ワークスペースオーナーのみ」です。あわせて「すべてのワーカー」の件数が出るので、ワークスペース全体で何本動いているかもここで分かります。料金ページによると、全Workerと作成者・ステータスの一覧、使える人の管理、個々のWorkerの無効化や削除、全Workerの一時停止もこの画面です。
(図5: 設定のワーカータブ。作成できるユーザーの既定値、すべてのワーカーの件数、全Worker一時停止のトグル)
どれも現状を見るだけの操作です。ただしクレジットダッシュボードは閲覧できる人が限られ、開発者ツールは先に有効化が必要です。ここから先の判断は、また別の記事で書きます。
おわりに
要点はこうなります。
- Workersは2026年10月15日からNotionクレジットが必要になる。対象はBusinessとEnterprise
- 目安は1 runあたり$0.0023。同期の実行1回、ツール呼び出し1回、Webhookイベント1件が、それぞれ1 run
- 見る場所は開発者ポータル、クレジットダッシュボード、設定のワーカータブの3つ
- 実行時間やメモリの上限は公式に記載がなく、同期の最小間隔も公式内で記述が分かれている
この記事は2026年8月26日時点の公式ヘルプとリリースノートを参照しています。課金開始日が動いたように日付も仕様も変わるので、検討を進めるときは参照日と出典URLをセットで持っておくのがおすすめです。
Workersの検証結果や具体的な使い方も、今後書いていきます。
同じように「あとで見る」のまま止まっていた方の参考になれば嬉しいです。Notionの運用で相談したいことがあれば、お気軽にお声がけください。