「丸投げ」から「共創」へ。クラウドネイティブのCSが目指す、情シス組織の自走支援

こんにちは。

クラウドネイティブでカスタマーサクセスを担当しているmomokaです。

お客様とお話ししていると、情シス業務のアウトソースについてご相談いただくことがよくあります。

「日々の運用を外部に任せたい」

「でも、社内にノウハウが残らない状態にはしたくない」

「属人化を解消したいけれど、何から整理すればいいかわからない」

こうしたお悩みは、特定の会社だけのものではなく、多くの情シス組織に共通するテーマだと感じています。

今回は、クラウドネイティブのCSとしての視点から、アウトソースで終わらせず、情シス組織の自走力を育てる支援のあり方について書いてみます。


外部ベンダーに情シス業務を委託することは、決して悪い選択ではありません。

むしろ、クラウドサービスの多様化、セキュリティ要件の高度化、生成AI活用への対応、従業員からの日々の問い合わせ対応まで、情シスが向き合う範囲は年々広がっています。

限られた人数でそのすべてを抱え込むには、あまりにも負荷が大きい。だからこそ、外部の専門家をうまく活用することは、現実的で有効な選択肢です。

一方で、こんな声をよく耳にします。

「運用は外部にお願いしているが、社内にノウハウが残っていない」

「前任者や特定の担当者に依存していて、何かあったときに状況がわからない」

「ツールは入っているが、設定の意図や運用ルールを説明できる人がいない」

「委託先に聞けば対応はしてもらえるが、自社として判断できる状態にはなっていない」

アウトソースによって目の前の業務は回るようになった。けれど、組織としては強くなっていない。

この状態をどう変えていくか、向き合いたいテーマがあります。


「丸投げ」では、情シスの課題は残り続ける

情シス業務には、明確な正解がある作業と、組織ごとの判断が必要な領域があります。

たとえば、アカウント発行、ライセンス付与、端末キッティング、問い合わせ対応などは、一定のルールを決めれば外部に委託しやすい業務です。

一方で、どのクラウドサービスを標準にするのか、どこまで従業員の自由度を認めるのか、どのリスクを優先して対策するのか、といった判断は、会社の事業や文化、組織体制と深く関わります。

ここまで外部に丸投げしてしまうと、一時的には楽になるかもしれませんが、長期的には、社内に判断軸が残らず、次のような問題が起こりやすくなります。

  • 設定変更の背景がわからず、見直しができない
  • トラブル時に、何を確認すべきか社内で判断できない
  • 新しいツールや機能を導入しても、運用に落とし込めない
  • 担当者の異動・退職によって、業務がブラックボックス化する
  • ベンダーからの提案を、自社に必要なものとして評価できない

つまり、アウトソースの目的が「作業を外に出すこと」だけになってしまうと、属人化やブラックボックス化という本質的な課題は解消されません。

CSが最初に見るのは、ツールではなく「運用の現在地」

お客様とお話しするとき、いきなり製品やサービスの提案から入ることはあまりありません。

まず確認したいのは、その会社の情シス運用が今どのような状態にあるのかです。

たとえば、

  • 情シス・コーポレートITの体制は何名か
  • 専任担当者がいるのか、兼務なのか
  • 入退社対応、アカウント管理、端末管理は誰が担っているのか
  • 管理者権限や設定情報がどこまで整理されているのか
  • 既存ツールをどこまで活用できているのか
  • 問い合わせやトラブル対応は、どのチャネルでどう回っているのか
  • ドキュメントやマニュアルは残っているのか
  • 今後、体制変更・拠点拡大・グループ会社展開・AI活用などの予定があるのか

このようなヒアリングを通じて見えてくるのは、単なる困りごとではありません。

本当に把握したいのは、今の運用がどこまで再現可能で、どこからが個人の経験や記憶に依存しているのか。

そして、外部支援を入れることで、どの業務を安定化し、どの知見を社内に残していくべきかです。

代行するだけでなく、仕組みとして残す

弊社には、運用支援、プロフェッショナルサポート、各種クラウドサービスの設計・構築・活用支援など、情シスを支える複数のサービスがあります。

ただし、私たちが目指しているのは、作業を代わりにやり続けることだけではありません。

もちろん、リソースが足りない時期には、外部の手を借りて業務を前に進めることが必要です。

入退社対応、SaaS設定変更、MDMやID管理の見直し、セキュリティアラートの確認、問い合わせ対応など、専門性や工数が必要な業務を支援することには大きな意味があります。

しかし、その支援が終わったときに、

「何を、なぜ、どう設定したのか」

「次に同じことが起きたら、どこを見ればよいのか」

「社内で判断すべきポイントは何か」

「どこまで自分たちで対応し、どこから外部に相談すべきか」

が残っていなければ、組織としての自走力は育ちません。

だからこそ、支援の中ではドキュメント化、運用ルールの整理、問い合わせ履歴の蓄積、設定意図の共有、定例での振り返りを大切にしています。

代行して終わりではなく、次に社内で判断できる状態を作ること。これが、情シス支援における重要な価値だと考えています。

情シスの「自走力」とは、全部を内製することではない

ここで誤解したくないのは、自走力がある情シス組織」は、すべてを自社だけで完結できる組織のことではない、という点です。

クラウドサービスもセキュリティも、変化のスピードが非常に速い領域です。

すべての製品仕様を追い続け、すべての専門知識を社内だけで持つことは、現実的ではありません。

むしろ重要なのは、次のような状態です。

  • 自社の環境や運用方針を説明できる
  • 外部パートナーに相談すべき論点を整理できる
  • 提案内容を自社の状況に照らして判断できる
  • 日常運用の基本動作を社内で回せる
  • 重要な設定や判断の背景がドキュメントとして残っている
  • 担当者が変わっても、運用を引き継げる

自走力とは「外部に頼らない力」ではありません。

外部の知見を活用しながらも、自社として判断し、運用を育てていける力です。

「情シスの全部、やる」の真意

弊社のスローガンは「情シスの全部、やる」です。

この言葉だけを見ると、情シス業務をすべて巻き取る会社のように聞こえるかもしれません。けれど、私たちは、お客様の情シスを奪うためにいるのではありません。

お客様の情シスが、本来向き合うべき重要な判断に集中できるようにするためにいます。

日々の運用で手が回らない部分を一緒に整理し、専門知識が必要な領域を支え、属人化している業務を仕組みに変え、最終的にはお客様自身が自信を持って運用できる状態を目指す。

そのための「全部、やる」です。

困ったときに代わりに対応するだけではなく、なぜ困っているのかを一緒に見つける。

設定を変更するだけではなく、その背景を残す。

ツールを導入するだけではなく、運用に根づくところまで伴走する。

これが、私たちが考える「丸投げ」ではないパートナーシップです。

アウトソースから、共創へ

情シスの仕事は、会社の成長や働き方の変化に合わせて、常に変わり続けます。

だからこそ、外部パートナーとの関係も依頼する側と作業する側だけでは不十分です。

これから必要なのは、社内の状況を一緒に把握し、優先順位を一緒に考え、運用を一緒に整え、少しずつ社内に知見を残していく関係性です。

アウトソースで終わらせない。

丸投げではなく、共創する。

一時的な作業代行ではなく、情シス組織の自走力を育てる。

弊社はこれからもお客様の現場の声を聞きながら、その会社らしい情シス運用の形を一緒に作っていきたいと思っています。

クラウドネイティブの支援について

情シス組織が自社のIT環境を理解し、自分たちで判断・運用できる状態を目指すための支援を行っています。

現状の整理から、設計・導入・運用設計まで伴走し、ベンダーコントロールのできる組織づくりを支援するのが、情報システムコンサルティングです。

また、日々のアカウント管理、権限変更、設定変更、トラブル対応など、運用業務のリソース不足や属人化に課題がある場合には、情シス運用支援サービスとして、情報システム部門の一員のような形で日常運用を支援します。

「外部に任せたい」だけでなく、「社内にもノウハウを残したい」「将来的には自分たちで運用できる状態を目指したい」という方は、ぜひ以下のサービスページもご覧ください。

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