はじめに
弊社代表シンジのブログでもeKYCを記事にしていますが、もう少しライトな内容です。
今まで弊社では人材採用活動におけるリソースを自社メインで「書類選考」から「面接」まで幅広くカバーしていましたが、当社では”これまで”も”これから”も「多様な働き方」を推進していくための一歩として、自社の採用業務を大きく見直す事となりました。
一企業の人材採用においてeKYCを導入している例は多くないと思いますが、eKYCの導入を検討されている他社様の参考になったら嬉しい限りです。
きっかけ
当社の成長に合わせて従業員が増えていく中で、場所に捕らわれない「フルリモートワーク」という働き方から、遠方に引っ越す従業員、また遠方から業務に従事する従業員が増えると共に「より確実に従業員の身元確認を行う」という事で発足したプロジェクトです。
シンジのブログにも書いてありますが「本人情報をごまかして入社、入社後にデータを吸い出して消息不明に」という信じられない話もあり「これは当社でも充分に発生し得る事象」と認識し、事が発生しない為の対策の1つという事になります。
そもそも「eKYC」とは?
「electronic Know Your Customer」の頭文字をとって、eKYC(いーけーわいしー)と呼ばれており、「オンラインで行える本人確認システム」の事を指します。スマホのアプリ上で個人情報と公的身分証情報を取得し、身元確認結果を払い出すシステムです。
どんな所で採用されているシステムなの?
犯罪収益防止法の改正により、「銀行口座の開設」、「クレジットカードの発行」、「携帯電話の契約」など、犯罪の助長を防ぐことを前提に、厳密な身元確認が求められるようになりました。そこでオンラインによる本人確認を実施することで、従来の本人確認の手間や工数を大幅に削減しながらも安全性を担保することが可能となりました。
代表的な所として、以下のような会社で導入されていて、個人に対してサービスを展開している企業が主になります。
- 銀行
- 証券会社
- クレジットカード会社
- 保険会社
- 各行政/自治体
どんな契約が出来るの?
一般的によく確認される内容
- 犯罪収益移転防止法「ホ」(身分証撮影+容貌撮影)
- スピードリスクチェック(反社DB)
その他
- 個人身元確認業務
- 個人番号取得業務
- セルフィー確認業務
- IDセルフィー確認業務
- 補助書類確認業務
- 補助書類確認業務(委任状)
- 補助書類確認業務(銀行口座確認)
- 銀行口座確認業務
- 法人確認業務
- 法人確認業務(法人番号での法人確認)
- リスク確認業務
などなど調査対象は個人/法人問わず、多数の業務を展開されています。サービスや業務内容によって、どの項目の調査が必要か?は調整が可能です。また、提出すべき証明証についても自由制に出来ますし、逆に特定の”証明書のみ”に制限する事も可能です。
今回、クラウドネイティブでは上2つに記載のある”犯罪収益移転防止法「ホ」”と”スピードリスクチェック”を導入し、入社時の身辺調査における必須項目となりました。
導入に向けた社内システム連携準備
eKYC確認の取得情報に個人情報があるため、折角ならば!と本人確認に付け加えて、社内の人事システム(入社フロー)も連携し、アカウント作成含め入社処理が大幅に軽減される事になりました。
運用とシステムの流れを調整
当社におけるeKYCの導入から運用開始までに要した時間は約4か月でした。
これは「eKYC単体の導入にかかった期間」ではなく、他のプロジェクトと並行して動いていた事や、社内システム連携改修や運用調整などが含まれており、eKYC導入確認タイミングで「入社フロー」から「新入社員新規アカウント作成」の見直し含め、様々な処理を連動して走らせる為に改修を行い、人事、情シス、エンジニアなど様々なメンバーが集結し、理想のシステムになるよう構築に取り組みました。
実装完了!実際に社員の本人確認を行ってみた
各種システム連動を無事に満たし、2022年4月4日より「eKYCシステム本稼働開始」という事で、新入社員向けの本人確認システムとしての想定でしたが、既存の従業員も本システムを用いて本人確認を行い、全従業員の身の潔白も証明され(笑)、穏やかに確認業務は終了しました。
確認作業は簡単、アプリDLと身分証明書で簡単登録!
- 確認アクション
- 認証に必要な個人情報の入力
- 認証に用いる顔写真付きの公的身分証明証の撮影(表、裏、指定の角度)
- 必要なもの
- 顔写真付き身分証明証
- eKYCアプリを動かすスマートフォン
実際の認証手順をスクショで紹介♪
スマホでアプリをダウンロード
アプリを起動して、対象のQRコードを読み込みます
各規約に同意して、認証を進めます
自身の身分証明書を撮影します
続いてセルフィー撮影へ、指示に従い顔や表情を動かします
身分証、顔写真の撮影が終われば作業は終了です
完了するとデジタル身分証データ(仮発行)が作成されます
アプリの通知設定を許可して、あとは通知を待つのみ
とにかく、顔写真付きのIDは大事です。(運転免許証、マイナンバーカードなど、、、)
今後、クラウドネイティブに入社する際には必須になるでしょう・・・?!
最後に
このようなオンラインシステムを導入する事で、役所が発行する紙書類(原本)で本人確認作業をせずとも従業員の身元確認を完了することが出来るのは、手間的な意味でも、信頼的な意味でも、更にはペーパーレスという意味でも、大変すばらしい事で、社内システム運用の安全が保たれ、セキュアな環境を生み出せると思ったら安いものと思います。
今回はここまでになります、最後までご覧頂きありがとうございました!